掲載日: 2006年 07月 17日

仕事で貯まったポイント、使っていいの?

文章:森 康博(All About「経理の仕事」旧ガイド)

「ポイント、お使いになりますか?」

カード
ポイントカードにマイレージカード、今はお得なカードがたくさんありますよね!

「ポイント、貯めてください!」
家電量販店などで買い物をすると、必ずある会話ですね。購入金額や、購入した品物に応じて購入金額の5%から20%程度のポイントが貯まっていき、次の買い物のときにそのポイント分だけ値引きを受けることができる仕組み。大手家電量販店などで「ポイントシステム」等の名称でおなじみですから、みなさんご存知のことでしょう。

また、「マイルを貯めて、この夏、夫婦で帰省します!」なんて方がいらっしゃるのではないでしょうか?顧客が飛行機を利用した距離に応じてマイルが貯まっていき、一定のマイルが貯まると、航空券や記念品などと交換できる「マイレージシステム」。ほとんどの航空会社がやっているサービスで、最近は飛行機に乗らなくても、光熱費などの生活費やショッピングで使用してもマイレージが貯まるようになっているようで、飛行機に乗らずにマイルを貯める「陸(おか)マイラー」と呼ばれる人もいるとか。

私の場合、飛行機は年に数回しか利用しませんので、マイレージカードは持っていませんが、家電量販店のポイントカードはよく利用しています。ポイントは、知らず知らずのうちに貯まっていくもので、気がつくと「万円」単位になることもしばしば。かなりお得なシステムですよね。

この「ポイント」や「マイレージ」、自分のプライベートで貯めて使うのならば、もちろん何の問題もありません。むしろ、使わない手はないでしょう。
……でも、会社の備品を購入する際に自分の口座にポイントを貯めてしまったり、会社の出張で航空機を利用する際に自分の口座にマイルを貯めてしまったりして、これらのポイントやマイルを会社に無断で、自分のために使っても良いものなのでしょうか?

今回はこのあたりの問題と、これにまつわる経理の対処方法について、考えていきます。

ポイントは「×」、マイルは「?」

やってしまった
「たった少しのポイントで、会社を首になるなんて……」軽い気持ちでやったことが、重大な結果を招くことになる場合も!

家電量販店、航空会社ともに大手2社に電話で確認しました。家電量販店の「ポイント」は「法人(あるいは個人事業主)契約が出来る」、航空会社の「マイレージ」は「法人契約が出来ない」ということでした。
「マイレージ」が法人契約不可なのは、個人の搭乗記録(航空チケットの半券)をもとにマイレージを加算する仕組みのためだそうです。

この前提をもとに、弁護士さん、司法書士さん数名に「社用で発生したポイントやマイルを自分でつかうと、法的に何らかの問題が生じるのか」を確認してみました。すると、おおよそ以下のような回答が得られました。

まず家電量販店の「ポイント」の場合。
そもそも「法人契約」が可能ですから、ポイントにこだわる会社ならば、社用でパソコン等を購入する時に「会社名義」でポイントカードを作ってから使うことになるはずです。
もし、会社のポイントを自分のために使ってしまった場合、それは「横領」や「窃盗」などの罪に問われる可能性があるということです。
すなわち「会社」という他者のものを勝手に使って自分のものにしてしまうことですから、これはさすがにマズイですよね。

次に「マイレージ」の場合。
これは微妙です。マイレージクラブの加入は個人に限られているので、法人が直接加入することはできません。
「マイルを貯める行為自体が会社に直接損害を与えたとは言えないので、直ちに刑事上の罪には問えない」という意見と「お金を出したのは会社なのだから、マイルも会社のもの」という二つの意見がありました。
ただし、「刑事上の罪に問えない」とおっしゃった方も、「マイルを自分のものすることは、“会社・社員双方が、相手の信頼や期待を裏切らないように仕事をしないといけない”という“信義則”に反した行為と思われるので、刑事罰に問われなくても、最悪の場合、解雇の理由にはなってしまうかもしれない」、ともおっしゃっていました。


では、会社や経理としては、どのように対処すれば良いのでしょうか?

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