リフォームの時代がやってきた! 暮らしが快適になる「省エネリフォーム」のススメ

昨今、省エネリフォームの需要が拡大しています。家のリフォームで一番重要なのは「毎日の快適な暮らしをつくる」ということ。それを実現する省エネリフォームのメリットと、国のサポート制度や資金対策などを、専門家のYuuさんに聞きました。

提供:住宅金融支援機構

お話をうかがった方

尾間 紫/Yuu

All About『リフォーム』ガイド:尾間 紫/Yuu

本名・尾間紫(おまゆかり)/住宅リフォームコンサルタント、住宅リフォームガイド、一級建築士。 現場経験が豊富で、講演・執筆・監修・取材協力も多数。過去を繕うものではなくコレカラの新しい暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。本当に満足するリフォームのノウハウを伝えている。

リフォームしながら長く住むという時代に

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コロナ禍をきっかけに、在宅時間を大切にする方が増え、リフォーム需要も拡大したといわれています。今の住宅事情はどのようになっているのでしょうか。

Yuuさん(※以下敬称略)「いよいよ本格的な『リフォームの時代』がやってきた!という印象です。その背景には、自宅を居心地よくするライフスタイルが定着したことに加えて、住宅の価格が高騰して購入が難しくなっていること、逆に中古のストック住宅が増え、空き家の問題なども発生していること、そして住宅においても地球環境への配慮が必要になってきたことなどが挙げられます。

今ある住宅を大切にリフォームしながら長く活用すれば、費用を抑えつつ、家にいる時間を充実させることができます。今後、特に注目したいのは、これまでのような古い箇所を補修するリフォームだけではなく、暮らしを快適にする家づくりの手法としての『省エネリフォーム』です」

実際に、国土交通省の〈建築物リフォーム・リニューアル調査(令和5年度第2四半期受注分)〉によれば、2023年7~9月の省エネルギー対策工事の受注は、前年同期比で50%以上もアップしています。

省エネリフォームの特徴と6つのメリット

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省エネリフォームの具体的なメリットは何でしょうか。

Yuu「省エネリフォームとは住宅のエネルギー消費量を減らしつつ、快適に暮らせる家にするリフォームのこと。家の断熱性を上げて外の気候の影響を減らす、給湯機などを高効率にして消費するエネルギーを減らすなどの方法があります。太陽光発電などの創エネも含まれ、リフォームをすると下記のようなメリットが生まれます」

【省エネリフォームのメリット】

  1. 夏涼しく冬暖かく、家中が快適になって光熱費も下げられる。
  2. 急激な温度変化によるヒートショックや、室温の低下による健康被害を防いで、住む人の健康を守る。
  3. 災害時、冷暖房が一時的に使えなくても、過剰な暑さ寒さを避けることができる。また、創エネと高効率給湯機で電気や水などのライフラインが確保できる。
  4. 省エネ住宅にすることで、地球温暖化対策に貢献できる。
  5. 住宅の性能がアップして、家の資産価値を保ちやすい。
  6. 国の施策と合致しているので、補助金などがお得に活用できる。


Yuu
「築年数が古く、暖房していても部屋が寒い、家の中の階層や部屋ごとの温度差が大きい、結露が多いなどの家は、断熱性が低いと考えられます。省エネリフォームを実施することで、驚くほど毎日が快適になり、安心して暮らせるようになるでしょう」

省エネリフォーム専用の【グリーンリフォームローン】

リフォームをするとき、一番悩ましいのはやはり費用のこと。着手はお金が貯まってから……と考える方は多いそうです。

Yuu「実際にリフォームをしてみると『もっと早くやっておけばよかった』とおっしゃる方が本当に多いんです。省エネリフォームに特化した使いやすいローンなどもありますので、検討をしてみてもよいでしょう」

例えば、住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】は、最大で500万円を融資手数料無料・無担保・無保証で借り入れできるという省エネリフォーム専用ローン。

窓を二重サッシや複層ガラスにするなど「断熱性を高める工事」や、高効率給湯機や太陽光発電設備など「省エネ・創エネ設備を導入する工事」を行うためのリフォーム資金に対する融資です。

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満60歳以上の方は毎月の支払いを利息のみとする、ノンリコース型を選択することもできます。

Yuu「実家を省エネリフォームしたいという、こども世帯からの相談もよく寄せられます。実家に帰ると寒くてヒートショックも心配だし、もっと快適に暮らしてほしいのに、我慢できる、負担をかけたくないと親が遠慮してしまう。そんなときにも、高齢者の返済特例があるこのローンはピッタリだと思いますね」

予算を組む際には、インターネットを駆使して有利な情報をチェックし補助金などと併せて活用を検討するのもおすすめです。

補助金が出る支援事業など、国の強力なバックアップは2024年も継続

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2023年は省エネリフォームの希望者が殺到して、住宅関連の市場も大きな変化を迎えることになりました。

Yuu「国から『住宅省エネ2023キャンペーン』という補助金が交付された影響が大きいです。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、手厚い補助金で省エネ住宅をバックアップしているのです。

例えば、断熱効果の高い内窓のリフォームは、『窓リノベ事業』という補助金が活用されて注文が爆発的に増加。工事が追いつかなくなるほどの事態になっています」

この補助金制度は、2024年も『住宅省エネ2024キャンペーン』として継続されることが決定しました。

Yuu「費用負担を減らしてリフォームができるチャンスなので、ぜひキャンペーンの内容や申し込み開始の時期などチェックしてみてください」

2024年の支援事業は、物価高の影響を受けやすい子育て・若者夫婦世帯への省エネ住宅取得や省エネリフォームの支援、全ての世帯を対象にした高断熱窓・高効率の給湯機への補助金などが盛り込まれています。

Yuu「国だけでなく、お住まいの自治体でサポートを実施している場合もあるので確認してみましょう」

「本当に幸せな家」をつくるリフォームを

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Yuu「2025年以降の新築住宅は、断熱性能など一定の省エネ基準に適合しなければならないという法改正もありました。これからいっそう、住宅の省エネには非常に興味と関心が高まってくるはずです」

新築だけでなく、最近では中古住宅の省エネ性能を資産価値として評価する自治体も。鳥取県などでは断熱・気密性の高い家を推奨し、助成する取り組みが始まっています。

Yuu「家の価値基準は、これから1~2年の間に急激に変化してくるでしょう。家の見た目や困りごとの解決ではなく、家はこうあるべきという本質に近づいたリフォームをぜひ計画してください。『本当に幸せな家とは何だろう?』を第一に考えて、この先の快適な暮らしに必要な要素を、しっかりと見極めることが大切です」

また省エネリフォームにおいて、国や自治体の補助金と制度、お得なローンなどの情報は、まだまだ知られていないのが実情です。

Yuu「例えば、家を買うとき当たり前に住宅ローンを使うように、リフォームでも有利な制度やローンを利用しないのはもったいないこと。情報を知って上手に活用し、1日も早く快適な家を手に入れましょう」