我が家のリフォームを考えるとき、家族で確認しておくべきポイントは?

住まいを快適にする方法として、効果的なのがリフォーム。それには家族みんなの意見の共有が不可欠です。リフォームの計画を立て、予算を組むときに準備しておくべきことをリフォームに詳しい大野さんに聞きました。

提供:住宅金融支援機構

お話をうかがった方

大野 光政

All About『リフォームにかかるお金』ガイド:大野 光政

建設工事業、建築士事務所、宅地建物取引業の会社を経営。自らも一級建築士、宅地建物取引士という立場で建物を調査し、小規模な修理対応から中古住宅の再生に至るまで、建物や施主のライフスタイルに合わせた、わかりやすく、親しみやすいリフォーム提案を心がけている。

リフォームの第一歩は家族による定期点検

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我が家をリフォームしようと考えるタイミングやきっかけには、「外的要件」と「内的要件」の2つがあると、大野さんは言います。

大野さん(※以下敬称略)「外的要件というのは、建物や設備の傷みがあるときです。内的要件は、出産・転出などで家族数が変わったり、ライフスタイルの変化があったとき。また、間取りや使い方で何か気になるところが出てきたときも、リフォームを考えるタイミングとなるでしょう」

建物や設備の傷みは、最初の一歩として家族でチェックすることが重要になります。

大野「年に1度、例えば年末の大掃除などのタイミングを定期点検日と決めて、家族みんなで家の傷みがないか確認しましょう。そのときに異常がなかったとしても、建物には耐用年数があるので、5年ごとを目安にさらにしっかりと家を点検して、劣化状況を確認してください。

確認する方法は、まず家の外観・内観の両方を目視します。外壁の亀裂やヒビを見るだけではなく、実際に外壁を触ってみてください。外壁が劣化していると、外壁の塗膜が剥がれてきて、塗料が手につくようなことがあります。雨漏りの箇所がないかも要注意です。

また、定期的な目視点検に備えて、日頃からいろいろな角度で家を撮影しておくと、経年によってどこが変わっているか比較して分かりやすくなるのでお勧めです」

リフォーム計画の段取りと工事の種類

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定期点検で改善したい箇所が見つかったら、実際のリフォーム計画をどう進めていくべきなのでしょうか。

大野「まずは予算を決めて、資金計画を立てます。金額はWebサイトや参考見積もりを目安にし、その後の不具合なども想定して、中長期を見据えた計画を立てましょう。

その際に大切なのは、家族会議で優先順位を決めることです。家族に相談せずに進めてしまうと、早急にリフォームすべきところを後回しにしたり、自分のやりたいところを優先してしまうなど、不満が出てスムーズにいかないこともあります」

家のリフォームの種類としては、大きく次の4つの区分に分けられます。

  1. 不具合の修理、故障への対応
  2. メンテナンス(劣化を防ぐ、定期的な維持管理。屋根・外壁の塗装など)
  3. 性能維持・向上(設備の入れ替え、グレードアップ)
  4. 生活や暮らしを改善するための積極的改修(間取り変更や全面リフォームなど)

大野「省エネリフォームには、断熱材や内窓を設置して断熱性能を上げる工事、省エネ家電の購入、高効率給湯機への交換、太陽光発電でエネルギーを創る『創エネ』、創ったエネルギーをためる『蓄エネ』などがあります。

光熱費を軽減し、夏涼しく・冬暖かく1年中快適に暮らせるなど、たくさんのメリットがある省エネリフォーム。特に、家中の温度差を減らすことで家族の健康を守るという、金銭に代えられないものは重要なポイントです」

リフォーム費用の出費を抑える制度も

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リフォームにかける予算が決まったら業者に相談し、実際の見積もりを取りますが、例えば床面積30坪くらいの標準的な戸建て住宅の場合、全ての窓に内窓を設置するなら60万~100万円以上、家中の壁の断熱性を上げるなら300万~400万円程度という金額が必要となります。

大野「大きな出費ですので、お得な支援制度をぜひ活用してください。省エネリフォームについては、「住宅省エネキャンペーン2024という国の補助事業が用意されています。条件に合えば補助金が交付されるため、自己資金を軽減することも可能です。

専用サイトに詳しい説明がありますので、どんな制度か、対象になるリフォームは何かなど大まかに知っておきましょう」

このキャンペーンは、認められた登録事業者でないと補助金の利用申請を行うことができません。登録事業者はサイトで確認することができ、業者選びの参考にもなりそうです。

大野「補助金が使えるかどうかや申請の手順、上限に達してしまった場合など、知識を持ってしっかりと説明してくれる業者は信頼できます。国の制度以外に、お住まいの自治体で省エネ・耐震・バリアフリーなどの補助や支援制度が利用できるケースもあるので、情報をキャッチしておいてください」

省エネ工事に特化した【グリーンリフォームローン】

補助金を活用しても、やはり持ち出し分の費用はかかるもの。住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】などの省エネリフォーム専用のローンを利用することで、快適な暮らしのための工事にすぐ着手することができます。

大野「最大で500万円を借りることができ、融資手数料無料・無担保・無保証という商品です。全期間固定金利というのも、金利アップが予想される今は特に安心感がありますね」

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大野「また、特筆すべきは『検査が充実している』こと。着工前には適合証明の申請と工事計画内容の確認が必要で、工事完了後にも検査機関によるチェックが実施されます」

プロの目で見て、一定基準に達している工事であることが客観的にわかるのは、大きなメリットです。依頼した業者の技術力や対応力の目安にもなるでしょう。

大野「新築のときは必ず検査がありますが、リフォームは基本的に自己責任となるケースが多いのです。例えば断熱材の工事は、外から確認することができません。グリーンリフォームローンのように検査があれば、施工を信頼することができます」

【グリーンリフォームローン】の詳細はコチラ >>

リフォームで「家族の困りごと」を解消する

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リフォームを計画するとき、第一に考えたいのは「家族が困っていることは何だろう?」ということ。

大野「例えば、高齢者が寒さを気にしている。それなら、快適に過ごせるように省エネリフォームで断熱工事をしよう……など、ニーズをしっかりと捉えることが肝心です。

補助金や支援事業、リフォームローンなどの情報は、常にアンテナを張って家族で共有しておいてください。いざリフォームを実施するときに、情報を知っているか知らないかでは大きな差が出てしまいます。いい情報を掴んでおくことで資金調達など有利に進めることができ、業者選びや打ち合わせの際にも力を発揮します」

家は家族が暮らすところであり、大切な財産でもあります。年末など家族が顔を合わせるタイミングで定期点検を行い、リフォームについて意見を交換しながら、快適な家づくりをしていきましょう。

【グリーンリフォームローン】の詳細はコチラ >>