■カード不正使用の被害額は年々増加、偽造カードの割合は急増
日本クレジット産業協会の調査によると、2002年のクレジットカード不正使用(カード犯罪)による被害額は291億4000万円(前年比5.7% 増)にのぼりましたが、そのうち偽造カードによるものは165億円(同12.6%増)で約56.6%と半分以上を占めています。偽造カードの被害と割合は年々増加していますが、その元になるデータ(カード情報)は空き巣が入手したものなどが使われます。
■スキミングのカラクリ
空き巣はスキミングという方法でカードの磁気ストライプ部分の情報を読み取って、そこに書かれているカード番号などの重要情報をそっくりそのまま別のカードに書き込みます。
スキミングは手のひらに入る程度のスキマーと呼ばれる機械にカードの磁気部分を通すだけでデータをコピーできる手軽な方法ですが、実際にスキマーを作り、読み取ったカード情報で偽装カードを作成したり、さらには偽造カードで購入した商品をさばくなど、各段階で高度な技術、システムが必要であるため、スキミングの背景には大掛かりな犯罪組織が存在しているといわれています。
そして、犯罪者たちは、スキミングでできた偽造カードで高額商品などを購入してヤミルートで現金化するという方法で利益をあげています。「カード情報を盗むもの」「カードを偽造するもの」「カードで買いまわりをするもの」の三者分業が完全になされているのが最近の傾向で、しかも、この犯罪は、香港、日本、英国といったように国際的な広がりもみせています。
■発覚に一ヶ月以上かかるのが難点
窃盗カードの不正使用の場合は、盗まれた所有者が気づいて警察などに通報することができますが、スキミングは本人が気づかない間に、カード情報だけを盗まれ、カードそのものはなくなっていないだけに、被害に気がつくのは請求書が来てからということになり、通報が遅れることになります。
■自分にあった2枚~3枚を選ぶカードリストラが被害を防ぐ
こうした被害を防ぐには、やはり、余分なカードは持たないことです。カードは必要最低限の2枚~3枚に絞り、いつも財布か専用ケースに入れて持ち歩くようにしましょう。こうするだけで、被害を劇的に減らすことができます。
■キャッシュカードは暗証番号を盗まれないように注意
最近は、キャッシュカードの偽造も増えているといいますが、これはクレジットカードとは少し違う対策が必要です。というのも、キャッシュカードはATMから預金を引き出すためのカードですから、暗証番号がポイントになります。
じつは、暗証番号は、「ゼロ暗証」という仕組みで、銀行のホストコンピュータに入っており、カードの中には入っていません。ですから、カードを盗んでその磁気ストライプからコピーしても暗証番号は分からないのです。
そこで、窃盗犯たちは、何としても暗証番号を嗅ぎ出そうとATMコーナーに網を張り、覗き込んだり、ビデオを仕掛けるのです。
ですから、ATMから預金を引き出そうとするときに、隣りや後ろに不審な人がいるような場合には十分に注意しましょう。
<関連サイト>
日本クレジット産業協会
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