住所、氏名を記載するのは紛失、盗難に備えて

WAONカードは入会のときに住所、氏名など書く必要がないので、手軽に持てて便利です。一方のnanacoは店頭で氏名、住所、電話番号などを書かねばならず少々面倒です。ただ、セブンイレブンによれば、これはカードが紛失、盗難にあったときに補償を受けるためとしています。もしものときでも個人が特定できますから、その残額を補償してくれるわけです。

精度の高い商品情報で知られるセブンイレブン

しかし、実際のところは、マーケティングへの利用を考えてのことです。個人情報の獲得によって、将来的には商品情報と個人を紐づけしようとしています。

セブンイレブンが保有する商品情報は日本一といわれます。それは毎日のきめ細かな努力によって、達成され、なし遂げられたものです。例えば、店長は地域の工場の催し物や学校の運動会などの行事はすべて把握しているといわれます。また、精度の高い天気予報情報の提供を受けており、各店は毎日の天気をほぼ正確に予測できるといわれます。その結果、「運動会があるからおにぎりの発注を増やそう」「明日の最高気温は1度あがるようだから売れ筋のアイスクリームをもっと前にだそう」といったマーケティングが可能になっているのです。
しかし、商品情報はほぼ完璧に持てるようになったのですが、個人を特定する情報についてはほとんど取得することができていません。そこを改善するためにnanacoが導入されたと思われます。


個人情報と結びつけることできめ細かな販促が可能に

nanacoでは1%のポイントと引き換えに利用者の氏名と住所が手に入るため、今後は豊富な商品情報と個人情報を組み合わせた立体的なマーケティングが可能になると期待されています。例えば、現状では、支払いの時に店員がPOSレジの5つの客層キー、「12歳以下、19歳以下、29歳以下、49歳以下、50歳以上」のいずれかを打つことになっていますが、階層が大まかすぎて明確な年齢を知ることはできません。nanacoの情報を加えると、顧客の年代を30代後半といったように特定すること可能になるのです。それと同時にリピーター率も掴めるので、売れ筋商品を新たに発見することができます。
また、住所が分かれば店のそばの人たちに直接ダイレクトメールで販売促進することも可能です。というのも、セブンイレブンは半径500メートルをお得意様地域としており、この半径に入る住民には必ず優良顧客になってほしいと思っているからです。


携帯電話が販促のツールとして最も適している

そして、その有効な武器となるのがケータイ(携帯電話)です。同社はカード募集と同時にケータイ会員(nanacoモバイル)も募集しています(ドコモとauで利用できます)。カードでは300円(税込み)の手数料がかかりますが、ケータイ会員は手数料なしです。つまり、優遇しているわけです。というのもケータイこそ、セブンイレブンのマーケティングの切り札とみているからです。実際、ケータイほど顧客囲い込みに適したツールはありません。24時間いつでもメールを送受信できます。ケータイ会員を増やせば増やすほど自らの意志を直接伝えることができるとみているからです(ジャンクメールになる危険性もありますが・・)。