海外旅行がクレジットカード普及のきっかけ
海外旅行のブームが起こったのは1987年。日本人が初めて海外でVisaやmasterのクレジットカードを使ってその便利さに気づいた年です。わざわざ現地通貨に交換しなくてもカードを通すだけで、いつでもどこでもキャッシュレスで買い物ができるその手軽さに驚いたのでした。その体験が、国内でもクレジットカードを使うきっかけとなり、普及の原動力となりました。ちょっとした買い物ならプリペイドカードが便利
それから20年が経過した今、海外旅行で新しい変化が起ころうとしています。それがいわゆるプリペイドカードやデビットカードといったクレジットカードではない決済手段の登場です。まとまった買い物ならクレジットカードでよいのですが、チップ用の小銭やちょっとした買い物ならプリペイドカードやデビットカードの方が便利なのです。これまでは技術的な整備が遅れていたために導入が難しかったのですが、現地のインフラが整いだしたために実現したものです。JTBがVisaと組んで発行開始、世界3000万店で利用可能に
そのひとつが「Visaトラベルプリペイドカード(グローバルマネー)」です(正式にはJTBの子会社が発行)。プリペイドという名前のとおり、渡航前に資金を指定の銀行口座に入金しておけば、海外ATMで現地通貨を引き出すことができ、その上Visa加盟店での買い物でもデビットカードとして利用できます。利用できるVisa/PlusのATMは170カ国に140万台以上、またVisa加盟店は世界に3000万店以上と充実しているので、様々なシーンで活躍してくれるでしょう。クレジットカードではないので、与信審査がなく、パスポート、運転免許証など本人が確認できる書類を持っていれば誰でも利用できるのがメリットです。また、事前に入金した資金の範囲内での利用となるため、使い過ぎを防ぐ効果も期待できます。
中国方面で強いのが銀聯ブランド
同じプリペイドでも、中国や香港、マカオといったエリアに特化したカードも登場しています。中国国内を中心に110万店以上の加盟店を持つ銀聯ブランドと提携した「銀聯キャッシュパスポート」がそれです。世界的な両替業者のトラベレックスが銀聯と提携して発行。日本旅行が代理店となって営業援助しています。現地のATMで現地通貨を引き出すこともできますし、現地の銀聯の加盟店でデビットカードとして利用することもできます。Visaやmasterといった国際ブランドの加盟店が少ない中国へ行く予定がある人には、必須の1枚となるはずです。リピーターや長期滞在ならドル建てで使えるクレジットカードが便利
また、クレジットカードでも為替レートのストレスを感じることなく、ゆっくり買い物を楽しもうという人には、円と米ドルで決済できる「二通貨決済機能付きクレジットカード」がおすすめ。ソニー銀行に円とともに米ドル預金をしておくだけで、国内での買い物のときには円普通預金口座から引き落とされ、海外での利用については米ドル普通預金口座から引き落とされる仕組み。つまり、1枚のカードで国内外問わず、また為替レートのストレスを感じることなく利用できるクレジットカードなのです。こうした新しい決済手段をもっていけば、海外旅行をさらに楽しく、実りあるものにすることができるでしょう。また、海外で初めてデビットカードの使いやすさに気づいた人が、国内でもデビットカード(Visaデビット、Jデビット)を使い始めるといった効果が生まれるかもしれません。
【関連リンク】
「Visaトラベルプリペイドカード」
「銀聯キャッシュパスポート」
「二通貨決済機能付きクレジットカード」