口座維持手数料は銀行サービスの対価?
銀行口座を維持・管理するにはコストがかかります。
この口座維持手数料は、口座に一定額以上の残高がある、住宅ローンを利用しているなどの取引内容により無料になる仕組みでした。つまり、口座を持っている顧客に、なるべく多くの取引をしてほしい、顧客の囲い込みという意図があったようです。
しかしその後、顧客獲得競争の激化もあって、ほとんどの銀行は、以前と同じように、無料で口座のサービスを提供するようになりました。
そのような中、今も口座維持手数料が必要な銀行があります。ジャパンネット銀行とシティバンク銀行です。
口座を利用する側から言えば、手数料は安いか無料にこしたことはありません。しかし、銀行の経営という点から見れば、開設された口座を維持するには様々なコストがかかりますから、取引が少ない=利益よりもコストが高いお客さんからは口座維持手数料を受取りたいのもうなずける話です。
また、口座維持手数料を取ることで、開設したものの結局使っていない口座の解約を促し、銀行にとっては経費の削減になる側面もあります。自行のサービスに自信があることもうかがえます。
今も口座維持手数料が必要なジャパンネット銀行とシティバンク銀行の仕組みを見てみましょう。
ジャパンネット銀行は口座維持手数料が月額189円(消費税含む)
ジャパンネット銀行に口座を作ると、口座開設月の翌翌々月から毎月1日に普通預金口座から189円の口座維持手数料が引き落とされます。月当たり200円弱とはいえ、年間ではなんと2268円。超低金利で、お金を預けてもほとんど利息が付かない現在、けっこうな出費といえますね。ただし、次のいずれかひとつを満たした場合、口座維持手数料は無料になります。
- 前月の預金平均残高が10万円以上
- 前月の振り込み回数が2回以上
- 前月に口座に振り込まれた金額が合計3万円以上
- 前月に口座に振り込まれた回数が2回以上
- 前月末時点でYahoo!ネットバンキング決済連携サービスの利用登録がある
- JNB-FX PLUS口座を開設している
- カードローンなどの契約がある
ジャパンネット銀行はネット決済が便利
ジャパンネット銀行は、日本で最初に開業したインターネット銀行で、口座維持手数料は開業当初からかかっております。ベンチャー企業的な側面があり、新しいサービスを次々と提供していて、ネットショッピングやネットオークションの際の、ネット上での決済が便利で、セキュリティが高いのが特徴です。決済に便利ということは、普通預金に一定以上の金額を入れておいて使うことが想定されますから、普通預金の金利が高めに設定されています。そして、前月の預金平均残高が10万円以上であれば、口座維持手数料は無料となります。
振込みの回数も、口座維持手数料を無料にする条件のひとつとなっています。他行へのネット振込み手数料は、3万円未満が168円、3万円以上が262円と割安(いずれも消費税込)。
FX取引も行うことができ、1倍(レバレッジなし)も可能なため、為替手数料が割安な外貨預金感覚で利用できます。
こういった取引を行うなら、口座維持手数料が無料になる上、便利に利用できるというわけです。
次ページで、シティバンク銀行について説明します。