4:金融機関を信用しない、でも破綻リスクは分からないと思おう!
よく、ペイオフに備える方法として、金融機関のディスクロージャー(情報開示資料)などを比較し、財務体質を確認しましょう、と専門家は言います。そのとおりだとは、私も思います。
しかし、自己資本比率やら不良債権の状況やら格付けやらを私たち個人が評価・判断するのはほとんど不可能ではないか、とも思います。なぜなら、金融業界にいても、どこが破綻するかを正確に予測することは難しいからです。(そういう噂はたくさん流布しますが)
また、情報開示や格付けを評価することができたとしても、そのデータが真実かどうかは分かりません。考えたくない話ですが、改ざんされていた情報だったら、どんなに健全な数値でも意味がありません。(ここしばらく、そうした問題が大きくクローズアップされているのはご存じのとおりです)
そうした金融知識を学ぶのももちろんですが、私はむしろ「自分の財産を預けている相手を、安易に信じない」という本来当たり前のことを再確認することが重要だと思います。
どこが破綻するかは分かりません。
どこでも破綻の可能性はありうると思うし、あるいはどこも破綻しないかもしれません。
山一証券が破綻したとき、誰もそんなことが起きるとは思いませんでした。一方で破綻が何度も噂にのぼりながら免れている中堅の金融機関もたくさんあります。
何が起こるか分からない。今は、そうした時代になっているのです。
自分の預けているところを信じたり、自分の目利きを信じるのもよいことですが、私たちがおかれている難しい状況を再確認し、できることをきちんと対策しておく。それがペイオフ対策にはもっとも大切なのではないでしょうか?
幸いにして多くの個人にとって、1社あたり1,000万円まで元本とその利息が保護されるというのは対応が可能な数値です。起きては欲しくない「そのとき」にきちんと備えておきたいものです。
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