■将来設計の中で転職をどう考える?
「仕事」「ギャラ」「人間関係」と3つの転職を考える不満をあげてみました。ぼんやり転職を考えている人は、この3つの不満を自分のケースで整理してみることをおすすめします。それぞれのポイントがはっきりしてくると、[1]自分はどんなキャリアアップがしたいのか(希望)が見えてきます。すると[2]今の自分はどんなキャリアアップができるのか(現実)が明らかになりますし、[3]キャリアアップを実現するために今何が必要か(対策)が浮かび上がってくるはずです。
私の個人的意見としてはこのうち「2つ以上満たしているとき転職を考えてみたらどうか」と思います。不満が1つだけなら、今の会社でがんばってみるのも考えてみてはどうでしょう? 仕事に不満があってもギャラと人間関係が良好なら貯金しながらチャンスをうかがえばいいですし、ギャラに不満があっても仕事と人間関係が満足なら、スキルを磨きながら将来の転職時に大きくギャラをあげればいいのです。
しかし、あまり転職に期待しすぎるのは考えものです。うまくいかなかった就職だったとき、転職はリトライのチャンスですが、新しい職場でうまくキャリアアップにつながるかは別ものです。また多くの場合、転職は貴重なキャリアアップのチャンスですが、同じ会社の中でキャリアアップができるのであれば、そこをまず狙ってみるのも必要です。何にせよ、最終的な正否を決めるのは自分自身の能力なのです。
また、将来のことをちょっと考えてみたとき、転職は大きなリスクだということは十分に把握しておいてほしいと思います。すでに結婚していたり、住宅ローンを抱えた家庭にとっては、転職がうまくいくかどうかは生活上の死活問題になりかねません。また、転職のたび、自己都合でカットされた雀の涙のような退職金をもらっていては、老後の備えに数百万円単位の不足が生じます。元の会社も新しい会社も助けてくれませんから、これは自分で対策を考えておかなくてはいけません。
しかし、それでもなお、転職とキャリアアップを求める人には、私も心からエールを送りたいと思います。私自身も転職によって、自分のキャリアが大きく広がったと思いますし、会社と自分の関係を捉え直すよい機会になったと思っています。転職にはチャンスと夢があるのも事実です。
今まさに転職を考えている読者の皆さん、これから転職を考えようとしている皆さん、ぜひいいキャリアアップを見つけてください!
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