■生活水準を上げつつ、貯蓄もしっかりと
次に、転職をして収入が増えたとき、生活費も増えてしまう問題について考えてみたいと思います。正直、これはやむを得ない問題だと思います。より大きな仕事をするときに収入が増えたとして、生活費がある程度増えていくことは避けられないでしょう。
同僚やクライアントがいいスーツを着ている人ばかりであれば、自分もあまり見劣りのしないスーツが必要になることもあるでしょう(スーツはビジネス上の戦闘服ですから)。情報の収集などにお金をかけることが必要になることもあります。がんばっている今の自分に見合った部屋を借りたいと思うこともあるでしょう。
そうした生活費が増えることが、仕事への張り合いにつながることもあります。今までより少しリッチな生活を維持するために、がんばって稼ごうと思うのなら、それもいいと思います。
しかし、「増えた手取り=増えた生活費」では、せっかく収入を増やしても貯金は今までより増えないことになります。何もすべて、新しい職場の同僚と同じ生活水準に無理に合わせる必要はありません。特に今まであまり貯金してこなかった人は生活水準をあげつつも、貯蓄も考えていく必要があります。
私の過去の経験でも、やはり転職した後は生活費が上がってしまいました。とはいえ、その頃の自分は貯金もなく、同僚よりまだ年収も低かったため、生活水準を同僚並に上げてしまうことはできません。そこで、同僚とちょっと高いランチを食べながらも、2日に1回は300円の牛丼を食べて食費を切りつめてたことがあります。
一方で、専門書籍などについてはどんどん買って目を通すように心がけました。前職では書籍代へ回す予算があまりなかったのですが、収入が増えたので自分には投資しておきたかったのです。このときの自分への投資は今になってとても役立っています。
つまり、やみくもにぜいたくをするのではなく、増えた収入を将来に生きるように役立てていくマネープランが必要なわけです。