「想定利回り」に負けるとかなり退職金は減る!
しかし、2.0%や2.5%といった目標は油断していい数字ではありません。401k向けの定期預金が高利回りであってもまだ1%には届きません。損保等でわずかに1%を超えている程度です。リスクをとって投資信託等を買っておかないと、じりじりとこの差が開いてしまうからです。「たった1~2%くらいの差はたいしたことないでしょ?」と思うかもしれませんが、401kでは数十年にわたって運用を続けていきます。大卒すぐに入社して60歳定年まで加入したとすれば38年です。「たかが1%」の積み重ねは数百万円になってしまうのです。
年0.5%の運用を続けたAさんの場合と、年2.5%の運用を続けたBさんの場合を比較してみます(手数料等を引いた利回りで試算)。毎月の掛金はふたりともずっと15000円だとします。すると、10年後にはAさんが184万円まで増えたところ、Bさんは204万円まで増やすことに成功します。この時点で、なんと20万円の違いが出てきます。
時間がたてば立つほど、このまま差が開き続けていきます。以下、20年、30年、38年の時点の数字を比べてみます。
Aさんの残高 Bさんの残高 その差
20年 378万円 466万円 88万円
30年 582万円 803万円 221万円
38年 753万円 1140万円 387万円
どうでしょう。年2%の違いは、定年退職を迎えるころには387万円にも広がりました! AさんもBさんも同じ会社に勤めて、同じ掛金を会社からもらっていたというのに、運用の年2%の差がこれだけの違いになってしまったのです。これは「複利効果」と呼ばれる投資効果によるものです。
もしこの会社の想定利回りが2.5%であったら、意味はまた変わってきます。Bさんは今までと同じ退職金を確保したのに、Aさんは退職金が387万円下がった、ということになるからです。金額で見てもショックですが割合で見るとさらにショックを感じるはずです。この場合、なんと34%ダウンになってしまうわけです。
想定利回りをクリアすることの重要性が少しおわかりいただけたでしょうか。それでは想定利回りの確認方法をご紹介します。
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