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朝に新聞を読んではいけない

時間管理術といったテクニックの前に、自分の時間密度を高める工夫をすることで、無理なく多くのことをこなせるようになります。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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睡眠時間を減らすのではなく、時間密度を高めることに注力しよう

朝に新聞を読むというその習慣、本当にそれでいいの?
あなたが最も集中力を発揮できる時間帯は、一日のうち、いつでしょうか。多くの人にとって、それは「朝」だと思います。(「自分は夜に集中できる」、という人は、「朝」を「夜」に置き換えて読んでみてください)

ということは、「朝」に最も重要な仕事、クリエイティブさを要求される仕事、難易度の高い仕事、緻密さを要求される仕事をすべきだ、ということは明らかです。だからこそ、過去も現在も「朝」の重要性が叫ばれるのでしょう。では、私たちはその貴重な朝の時間を、本当に有効に活用しているでしょうか。「朝型が成功の秘訣」と早起きしたり、時間管理のノウハウ本を読んでコマ切れ時間を有効に使ったり、という努力も悪いことではありません。

しかし、そもそも、集中できる時間帯に集中してやるべきことをできなければ、できる量も質も落ちてしまいます。逆に言うと、朝をうまく使えれば、眠いのに無理して早起きしたり、電車の待ち時間にせせこましく電子ツールを取り出したりしなくても、十分有意義な一日となるものです。時間管理の細かなテクニックは、その後でも間に合います。

大切なのは、朝にやるべき仕事を集中させ、時間の密度を高めることです。睡眠時間を減らすのではなく、時間の密度を上げること。細切れ時間を意識する前に、集中できるときに集中してやること。これが大原則です。ではどうすればいいのか、ですが、簡単な方法をご紹介します。


<朝に新聞を読んではいけない>

まず、朝刊を朝読んではいけません。同様に、テレビのニュース番組を見たり、ネットニュースを見たりしてはいけません。澄み切った朝の時間を、事実情報を掴むことなどに費やしてはいけません。株式投資をやっていて、ニュースの影響が大きい場合などは別として、多くの人にとっては朝読まなければならない必然性はないのではないでしょうか。

試しに朝、新聞を読まないで会社に行ってみてください。習慣になっている人は気持ち悪さを感じるかもしれませんが、まず困ることは起こらないはずです。単に他人との話題についていけないくらいでしょうか。私も新聞は夕方の疲れたときとか、週末にまとめて読んだりしています。それでも事業に必要な情報は入ってきます。また、まとめ読みをすることで、むしろ事件の動きや全体像を把握することができますし、メディアの報道に世の中がどう動くかを理解することもできます。


<朝にメールチェックしてはいけない>

次に、朝メールチェックはしない。チェックしなければならない場合も、緊急かつ重要なもの以外への返信に時間を使うのはもったいないと思います。メールの多くは生産性が低く、しかも時間を多く消費します。メールを打って午前中が終わったとしても、なんとなく仕事をした感が得られるので注意が必要です。必要ならすぐ電話し、メールのチェックや返信は午後に回しましょう。


<朝にTODOリストを書き出してはいけない>

TODOリストを作成するのは前の日の勤務時間終了時や、前週の金曜日に済ませておきます。翌朝から全速力で仕事にとりかかれるからです。朝のスタートが遅いのは致命的です。朝出勤してから今日の業務スケジュールを組むのは時間の無駄ですし、コーヒーを飲んだりしてダラダラ過ごし、なかなかスタートできない人も要注意です。


<朝の通勤電車は寝てはいけない>

これは個人的な感覚ですが、朝の電車の中で眠ったりぼーっとすることは、私にはとても気持ち悪く感じます。なぜなら、一日の中でも特に貴重な「一人になれる空間」だからです。周りに人がいるとかいないとかいうことではなく、誰にも邪魔されずに集中できる(足を踏まれたりということはありますが……)、自分だけの時間と空間ということです。それを単に寝て過ごしたり、新聞を眺めて終えたりするのはとてももったいないなあと思います。


<午前中に人と会ってはいけない>

よほど集中力を要するミーティングや打ち合わせでない限り、眠くなったり疲れたりする午後に人と会う時間を持ちましょう。午前中の思考作業でへとへとになっても、人と会うと、刺激を受けて元気になったり、やる気になったりします。ですから私も、来客や接客の予定はなるべく午後にするようにしています。多くの会社では朝に会議や報告会をしていますが、時間密度を考えると、再考の余地がありそうです。


これらのことは、ちょっと極端に感じるかもしれませんが、自分の習慣を見直してみるきっかけにしてみてください。


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