資格取得に逃げてはいけない
仕事に必要な資格(不動産なら宅地建物取引主任者、経理なら日商簿記検定や税理士、人事なら社会保険労務士、営業なら販売士や中小企業診断士、旅行なら旅行業務取扱管理者など)はどんどんとっていいと思います。しかし問題なのは、資格を取っても仕事の能力が高まるわけではないという点です。貧乏な士業は山ほどいるように、稼ぎ力の決め手にもならない。人は不安になると、とかく形のあるものにすがりたくなります。昨今、資格取得の専門学校が流行っているのは、そういう背景があるのでしょう。
私もかつて、資格に逃げたことがあります。それは米国公認会計士ですが、資格があれば転職が有利になるんじゃないかとか、資格を取れば自分に自信ができるんじゃないかとか思っていましたが、私にとっては幻想でした。もちろん、「やり遂げる」ということにおいては自信がつきましたが、相変わらず仕事はできないダメ社員のままでしたから。
資格が無意味だということではなく、今自分がやらなければならないことにフォーカスしようということです。そう考えたとき、新社会人の大多数に当てはまるのは、資格取得にエネルギーを割くのではなく、目の前の仕事に一心不乱に取り組むことだということです。
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