(※本連載は、OpenJFX 200710081507をベースに解説を行っています。2008年秋に正式リリース予定のJavaFX 1.0とは一部内容が異なっている部分がありますのでご注意ください)


JavaFXって、なに?


「Java FX」。現在、Javaの世界でもっとも注目されている技術の一つといってもよいでしょう。今年(2008年)のJava Oneも、話題の中心は昨年に続いてJava FXでした。が、「このJava FXってのは一体何だ? Javaの新しいフレームワークか何かか?」と思っている人も多いことでしょう。

JavaFXというのは、SwingベースのGUIアプリケーションを構築するためのスクリプト環境です。「JavaFX Script」というスクリプト言語により、ごく簡単なスクリプトで高度なGUIアプリケーションを構築していくことができます。このJava FX Scriptの実行環境としては、パソコン向けの「JavaFX Desktop」、モバイル向けの「JavaFX Mobile」といったものが計画されており、2008年秋から2009年夏にかけてリリースされる予定です。

が、「なんだって、そんなものがわざわざ作られたんだ? Swingなら、Javaで書けばいじゃないか」といった疑問が湧く人も多いはずです。その通り、SwingならJavaで書けばいいのです。なぜわざわざ新たなスクリプト言語を作ったのか。それを理解するためのキーワードは「RIA」です。

Rich Internet Application――Webブラウザの中の、HTMLによるWebアプリケーションを飛び越え、もっとリッチなインターネットアプリケーションを。昨今のインターネットの世界では、このRIAが非常に重要なテーマとなりつつあります。ここ数年、Ajaxの普及により、「HTML + CSS + JavaScript」とったスタイルで高度な表現をするWebアプリケーションが次々と登場しました。が、この方式は確かに注目されましたが、同時に「その限界」も強く意識されるようになりました。

JavaScriptによるプログラムは、実行速度が遅い。またWebブラウザごとに動作が異なるなど互換性の面で面倒が多い。またすべてJavaScriptで制御するため、プログラムの構造が非常にわかりづらくなる。こうした問題点がAjaxにはあります。が、だからといって「Ajaxをやめて、元に戻す」わけにはいきません。既に、人々はAjaxによるインタラクティブなWebアプリケーションに慣れてしまっています。今更、静止画のようなWebに戻すことは不可能でしょう。

そこで注目されるようになったのが、RIAです。より高度なGUIを持ったWebアプリケーション。それが今や求められることになったのですね。――これまでも、こうした「Webブラウザに縛られない高度なGUI」は存在しました。例えば、Adobe Flash。あるいは、Javaのアプレット。が、RIAはそうしたものだけでなく、Webブラウザから抜け出し、アプリケーションとして実行されるWebプログラムをも視野に入れるようになっています。それをもっと推し進めたWeb環境が、そろそろ望まれるようになってきた、ということでしょう。

こうした流れを受け、Adobeでは「AIR」、Microsoftでは「Silverlight」といったRIA環境が次々と発表されます。となれば、Javaの世界でもこれらに対向できるRIA環境が必要です。そして――JavaFXの登場!となったわけです。

JavaFXはどこで入手する?


このJavaFX、現時点ではまだJavaFX MobileもJavaFX Desktopもありません。オープンソースによる実装として、「OpenJFX」というものが現在開発中、という段階です。ただし、既にこのOpenJFXはほぼ使えるレベルにまで開発が進んでいますし、EclipseやNetBeansによる開発用プラグインもリリースされています。開発者のレベルでは、十分に利用できるようになっているのです。

このJavaFXは、これ自体がJavaで書かれています。従って、JavaFXを使うためにはJavaの実行環境(JRE/JDK)が必要です。まずは、JDKの最新版をSunのサイトからダウンロードしインストールしておいてください。

このJavaFXは、2通りの入手の方法があります。1つは、直接OpenJFXのサイトからファイルをダウンロードする方法です。これは、以下からアクセスできます。

OpenJFXのサイトに移動

OpenJFXのサイト。ここからZipファイルをダウンロードする。

ここから、OpenJFXの圧縮ファイル(Windowsならば、Zipファイル)をダウンロードすれば、ソフトウェアとドキュメント、サンプルなど一式を手に入れることができます。ただし! 2008年6月現在、それまで公開されていた開発版はサイトから消えてしまっているようです。これは、おそらく1.0プレリリースが登場するのに備えてのことのようです。

それじゃ、手に入らないのか? いいえ。実をいえば、それ以外の方法で手に入れることができるのです。というより、こちらのほうが「正しいOpenJFXの入手法」といえるかも知れません。