アングル《トルコ風呂》を観賞するイメージパーソナリティの中越典子さん |
今回のルーヴル美術館展、「絵画なんてよくわからない……」と敬遠するのはもったいないですよ! さっそく横浜美術館に足を運んだ横浜ガイドが、ルーヴル美術館展を愉しむツボをお教えします!
※この記事は2005年4月の情報です。写真はプレスプレビュー時のものです。通常時はルーヴル美術館展の写真撮影はできません。また、画像の転載はできませんのでご了承ください。
【INDEX】
P1……ルーヴル美術館展概要
P2……ルーヴル美術館展見どころ
P3……ルーヴル美術館展をより楽しむサービス&おトク情報
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今回のルーヴル美術館展のテーマは19世紀前半のフランス絵画
横浜美術館エントランスを2Fから眺めたところ |
ご存知のこととは思いますが、ルーヴル美術館はフランス・パリにある宮殿を利用した世界でも最大級の規模を誇る美術館。今から約200年前、1793年に設立されました。主に1848年以前の作品をコレクションしており、古い文化遺産を保存する場、と位置づけられています。今回の企画展は、ルーヴル美術館が所蔵する35万点以上のコレクションから、フランスの19世紀前半(1780年ごろから1850年ごろまで)の絵画を紹介するというのがテーマとなっています。
フランスの激動を思い浮かべて観賞しよう
18世紀末から19世紀前半のフランスといえば、まさに激動の時代。フランス革命によりルイ16世の王政が終わり、市民政治による共和政となり、やがてナポレオンの台頭により帝政へと移り変わっていきました。しかし帝政期は長くは続かず、王政が復活するも2月革命により立憲君主制となるなど、次々と変化していった時代──そんな流れを思い浮かべながら観賞すると、もっと楽しめると思います。(『ベルサイユのバラ』の時代とかぶりますね!)また、この激動の時代を反映するように、美術界でも大きな変化が起きました。時代の変化と合わせて美術史の変遷をみせる、というのも「ルーヴル美術館展」のもうひとつのテーマです。古代ギリシア・ローマを模範とした格調高い新古典主義から、情熱的・幻想的なロマン主義、そしてありのままの素朴な姿を描こうとする自然主義・写実主義(レアリスム)へと変化していったのです。やがて訪れる印象派へのプロローグとなる重要な時代です。
ジャン=フランソワ・ミレー 《積み藁を束ねる農夫たち》 19世紀中頃 油彩・カンヴァス 54.5×65cm (c)Photo RMN-H. Lewandowski |
新古典主義……ダヴィッド、アングル
ロマン主義……ジェリコー、ドラクロワ
自然主義・写実主義……コロー、ミレー
構図がきっちりしていて直線的な新古典主義、肖像画よりも自然描写を好み、色彩が派手なロマン主義、身近な題材を取り上げ、素朴なタッチと自然な色遣いの写実主義。それぞれの画家のタッチや題材などを見比べると、美術史の変遷がつかめることでしょう。
次ページはのルーヴル美術館展の見どころを具体的にご紹介します。