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半年の穢れをはらう茅の輪くぐり

神社で茅草で作られた輪をくぐれば、半年の罪が祓われる?東京でも根強く行われる茅の輪くぐりの由来と、鳥越神社の水上祭、併せて東京で行われる富士の山開きについてもご紹介しましょう。

執筆者:妹尾 みえ


この半年、あなたのおかした罪と穢れ?



茅の輪くぐり
本殿の正面にすえられた茅の輪。写真は池尻稲荷神社
6月末のこの時期、神社の境内に大きな “輪っか”を見つけた人はいないだろうか。実はこの竹に茅草(かやくさ)をくくりつけた輪は、「茅の輪(ちのわ)」という。
その名のとおり茅(かや)草で作られており、これをくぐると、半年のツミ・ケガレ(罪・穢れ)を祓うことができると言われ、東京に限らず各地の神社に据え付けられる。

ある世田谷の神社でうかがったところによれば、人間というものは、生きているうちにいつのまにか悪をおかし、あるいは、不浄なものに触れてしまう。
そこで、こうした罪や穢れをお祓いし、今年の後半もきれいな心で無事に過ごしましょう、という願いがこめられているのである。夏に行われるので、夏越の大祓(なごしのおおはらえ)、夏越しの大祓式などと呼ばれている。
また同じように12月31日には、師走の大祓が行われているのだが、除夜の鐘だ、正月だと年の瀬の慌ただしさにまぎれ、一般の人が気づくことは少ないかもしれない。

茅草を使うのは、茅の輪を腰につけていたら、疫病をまぬがれたという「備後国風土記」に描かれた神話からきているようだ。
 
くぐり方については、いろいろあるそうだが、基本的には左まわり、右まわり、と8の時を描く。このとき、「水無月(みなつき)の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり」と唱える神社もある。

形代
なるほど、人の形をしている「形代」
また「形代(かたしろ)」あるいは「人形(ひとがた)」(新宿の花園神社では「撫物」と呼ぶ人もあった)を抱いてくぐる神社もある。
これは言うなれば自分の分身。私の教わった神社では、男女別に、氏名と年齢を記入し、息を吹きかけ、カラダをなで、穢れを祓う。さらに大祓の儀式当日に納めると、お祓いして海へ流してくださるのだ。

都会にあって、これだけ広く行われている行事は少ないかもしれない。

鳥越夜まつりでも知られる鳥越神社では、7月1日に水上祭形代流しを行う。午前10時。色鮮やかな御座船は浅草橋に近い柳橋を出航。数十隻の船に守られながら隅田川をくだる様は、江戸の頃を彷彿とさせる。目をつぶってお囃子の音に耳を傾ければ、周囲のビルさえ彼方へ。

2007年は申込が終わってしまったが、毎年、申込により数人がこの船に乗船できる。

○鳥越神社
・住所:東京都台東区鳥越2-4-1
・地図:Yahoo!地図情報
1年が半分終わったこの時期、神社やお寺ではこのほかにも様々な行事が行われる。
その一つに7月1日の<お山開き>がある。
さて東京の山手線内で山開きとはこれいかに?
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