◆牛込原町に小さな社があった
年末年始、宝くじにささやかな夢を託していた人も多いはず。しかし、なかなかままならぬのが、この世の定めです。はずれたくじは、競馬場や競輪場よろしく、ばーっと撒いてしまうのも気持ちいいものですが、ひとつ供養してもらってはいかがでしょう。
市ヶ谷でみつけた「はずれくじ神社」のお話です。
その神社は、都営大江戸線の「牛込柳町」から3分くらい。東京女子医大にも近い、新宿区のど真ん中といってもいい場所にありました。
「宝禄稲荷神社」というのが正式な名前のようです。
大久保通りに面しており、ご覧のとおり、ビルにはさまれ、かろうじて町の人によって、守られているという感じがしなくもありません。
しかし、何かただならぬ存在感を漂わせていたことも事実です。
由来によれば、早稲田・穴八幡(西早稲田2-1-11/東西線・早稲田駅)の末社にあたるとありました。
穴八幡といえば、「一陽来復御守」で有名です。
冬至の頃はすごいにぎわいですが、実は節分まで配られているんですよ。様子は「ゴルバーの写真で綴る見聞録」でよくわかります。
◆富くじですっからかん男の懺悔話
なんでも昔この地に、貯めた小金を富くじにつぎこんでは、すっからかんになっていたお百姓がいたんだそうな。
やめときゃいいのに、ある日、男はおっかあ(妻)が夜なべして貯めた小銭を見つけて、「よ~し、これで一発当てて今度こそおっかぁを喜ばしてやるか!」とばかりに、町へくじを買いに行ってしまいます…ま、よくある話です。
そうして案の定、すってんてんにすってしまうのですが、さすがに今度ばかりは言い訳がたたない。
途方に暮れた帰り道、小さな祠(ほこら)の前に外れたクジを置いて「オレは何て運がないのだろう。いつかおっかあに楽をさせてあげたいものだ」と願ったのだとか。
しかし、こういう性分はなかなか治らないものです。数ヶ月もすると、また小金を懐に富くじを買いに行ってしまいました…ところが、今度はどうでしょう。なんと!一等を当ててしまったのです。
それからは何をやってもツキまくり、一家にも幸せが訪れたのだとか。そのお礼に男が建てたのが、この神社だと言われています。
→次ページではいよいよクジを奉納します。 またいろいろな勝守もご紹介しますので、ぜひ福をゲットしてください!
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