潮風公園で風にふかれて
とにかく海のそばまで行こうと、潮風公園へ足がはやる。秋の日は早い。着いてみれば、陽はもう傾きかけてぎらぎらと海面に照り返していた。対岸にはコンテナが並び、なんだか海というより、大きな川のようにも見えるけれど、まぁそれはいい。羽田へとおりていく飛行機と、船の影と、吹きすぎる風と。それが東京駅のオフィス街からわずか30分のところにある。
木造の潮風橋をわたるとき、足元の木の間から水面がちゃぽちゃぽ揺れるのが見えて、足がすくむような想いをしたりするのも新鮮だ。海が怖いなんて感覚、ひょっとしたら忘れていた。
売店前の一画でビールを飲んでる人、綱をつけてウサギ!を散歩させてた人、釣りに興じてたカップル。誰もかれもゆるっとしてる。なによりのリラクゼーションだ。話し相手でもいれば…と思うのは山々だけれど、「路線バスで通りすがりのひとり旅」というコンセプトもまた、都会ならではかもしれない。
アクアシティでちょっと買い物にうつつを抜かして、気がついてみれば外はもう真っ暗。バルコニーから思いがけず、夜景も楽しむことができた。
ひとりだろうが、2人だろうが、お台場からの夜景はやっぱりせつないほど鮮やか!来てよかったぁ~と、独り言ももれるというものだ。
帰りはゆりかもめを選んだのだが、ビッグサイトでイベントもあったし、帰宅時間だしで、満員御礼。いきなり現実に引き戻されげんなり。お台場=遊び場ではないことは、肝に銘じておかないとね。これからクリスマス・シーズンになってお台場はどんどん混雑するのだろうけれど、そういうときにあの快速バスを利用するのは賢い選択だ。
マイカーがなくたってバスがある!