アイヌ伝統の特別イベントが今夏も開催
北海道の先住民族として知られるアイヌ民族。伝統的なアイヌ文化を体験できる特別プログラム「ポロトコタンの夜」が、7月下旬~8月中旬の金曜と土曜の夜だけ、白老(しらおい)町の「アイヌ民族博物館」で開催されます。囲炉裏の火を前に繰り広げられる祈り、歌、舞踏は、とても幻想的で心を打つものがあります。この夏のおすすめイベントに出かけてみませんか。世界無形文化遺産に登録
ポロトコタンの夜では伝統の儀式を間近に見ることができる |
文化や精神の象徴である祈りや踊りは、日々の感謝を示し、喜びや悲しみを神々と分かち合うための表現といわれています。この秋には、ユネスコ「世界無形文化遺産」へのリスト登録が予定され、ますます注目を集めるアイヌ古式舞踏。このプログラムでは、普段の定時公演では見ることのできない神聖な儀式や踊りを披露します。ちなみに、ポロトはアイヌ語で大きな沼。コタンは村。ポロト湖にある村という意味になります。
駆け足で紹介するプログラム内容
特別プログラム「ポロトコタンの夜」に参加するなら、札幌発のオフィシャル日帰りツアーがおすすめです。博物館の見学や特別公演に加え、アイヌ伝統料理の夕食まで楽しめる内容になっています。アイヌの食文化を取り入れたアイヌ定食の内容は、いなきび入りのご飯、炭火で焼いた皮までおいしい鮭、昔から食べられていた山菜・ギョウジャニンニク、ニリンソウ、アズキナのおひたし、甘辛く煮たエゾシカの肉、そして鮭のオハウ。シンプルだけど、見た目以上のボリューム。
日帰りバスツアーの参加者の特典!アイヌ伝統食を解説付きで楽しむことができます |
オハウとは、昔のアイヌ民族の主食です。具だくさんのスープで、北海道の郷土料理・三平汁のようなイメージ。昆布ダシに塩で味を調えただけのお汁ですが、これがおいしい。ジャガイモや鮭など、具材の旨味もしっかりと楽しめます。自然から食料を得て、加工や保存の知恵に長けていたアイヌ民族の食文化の話、とても興味深く聞くことができますよ。
このプログラムでは、アイヌ民族博物館を学芸員の特別解説付きで見学できるのもポイント。ぜひ注目してほしいのは、アイヌ民族のデザインセンス。左右対称のアイヌ文様を刺繍した衣類、彫刻が施された道具類など、どれも美しく技術が高いんです。
アイヌ文化を展示・紹介する博物館には、美しい首飾り(左)や独特のアイヌ文様が刺繍された衣類などを見ることができる |
さぁ、メインイベントの特別公演。クリエイティブな楽器・ムックリ(口琴)の演奏や、悪い神を祓う男性の踊り、羽織を鶴の羽に見立て、親子鶴が飛ぶ愛らしい姿を表現した鶴の舞、アイヌ民族唯一の弦楽器トンコリの演奏などが楽しめます。
なかでも、アイヌ語で火の神に祈りを捧げる儀式は、とても神聖な気持ちになる時間です。アイヌ語の響き、舞の美しさや迫力には、心を強く惹きつけるものがあります。
アイヌ古式舞踏は美しく、また迫力も感じられる |
ポロトコタンの夜は、7月24日(金)、25日(土)、31日(金)、8月1日(土)、7日(金) 8日(土)、14日(金)、15日(土) の8日間、18時30分からの開催。
チケットは全国のローソン・セブンイレブン・ファミリーマートに設置する端末で購入可能。
●食事がつかず、博物館見学と特別公演観覧のポロトプランは、大人2000円、中学生以下1000円
●白老町名物の白老牛を堪能できる夕食付きのピリカプランは、大人4000円、中学生以下3000円
また、札幌発着のオフィシャル日帰りバスツアーは、シィービーツアーズ(TEL011-221-0912)への申し込みに。詳細はこちらへ。
●オフィシャル日帰りツアーは、大人(中学生以上)4980円、小学生以下4480円。
【DATA】
●アイヌ民族博物館
住所:北海道白老郡白老町若草町2丁目3-4
TEL:0144-82-4199
http://www.ainu-museum.or.jp/
ポロトコタンの夜 公式HP
http://www.porotokotan.jp/
白老グルメも楽しもう
白老にはさまざまなご当地グルメがあります。生産者が直営する白老牛を楽しめるレストラン、白老産の食材を使ったバーガー&ベーグル「白老B&B」、名物のサラ貝の旨味をベースにした「しらおいシーフードカレー」などなど。詳しくは以下の公式WEBをチェックしてみてください。アイヌ文化と合わせて、白老を楽しんでみてはいかがでしょう?●白老B&B
http://www.shiraoi.net/B&B/
●しらおいシーフードカレー
http://www.shiraoi.net/curry/
●おすすめの白老牛レストラン
ウエムラ牧場内のファームレストラン・ウエムラ
http://www.kitaiti.com/uemura/