海外のホテル選びには色々な基準があります。主なものとしては、ホテルの格、立地、部屋タイプ(ベッドタイプ)、サービスなどが挙げられます。この記事では各々の基準での判断ポイントを解説していきます。あなたにピッタリのホテルに出会えますように……。
アフリカ、スペイン自治州のカナリア諸島にあるリゾートSeaside Hotel Palm Beach。家族でこそ楽しみたい複合リゾートホテル |
ホテルの格(星)
旅行パンフレットを見ると、宿泊予定ホテルが、“四つ星”、“五つ星”と明記されています。これらは一般に「ホテルの“格”を表す」と言われています。それでは、これらはどのような基準で決められているのでしょうか。星による格付けというと、フランス生まれの格付けガイドブック、ミシュランガイドを連想するかもしれません。ですが、“ミシュラン”はフランスのタイヤメーカーが独自のマーケティングツールとして実施しているもの。ホテルの格付けとは、実は全く関係ないんです。
格付けは、実は都市によりその基準が異なります。例を挙げると、パリで三ツ星の条件は、「バスタブとシャワーの割合が全客室の7割以上で、全室に電話が設置してある」ことで、フィレンツェでは五ツ星の条件として「24時間のルームサービス」が不可欠になっています。これらは大昔に、欧米の複合型ホテルを基準に(つい最近まで他のビジネスモデルのホテルは無かった!)決められた“遺産”で現在でも見直しはされていません。ですから、今の時代にはそぐわない基準も複数あります。
……ということは、もうお分かりかと思いますが、「星の数が多いからといって、そのホテルが常に誰にとってもベストのホテルとは限らない」のです。場合によっては、24時間のルームサービスやバトラーなんて必要ないかもしれない。しかしながらホテルの料金というのは、その殆どが星の数に比例しているため、場合によっては不必要なサービスがあることでは宿泊料金が上がるケースがあるというワケ。
海外ホテルの立地
ベネチアにあるデザインホテル、PALAZZO BARBARIGO SUL。女性のひとり旅にも安心 |
あなたが訪れる都市で、“どこで何をしたいのか”時間をかけて想像してください。どこを観て、どこでショッピングをして、どこで食事するのか……。そして拠点にしたい場所が見つかったら、多少値が張るエリアであってもそこに近いホテルを選ぶことをおすすめします。
日本ではあまりタクシーに乗らないという人だって、初めて訪れる土地勘のない場所なら、バスや地下鉄の代わりにタクシーを利用して出費した経験があるはず。タクシー料金が高いNYやロンドンでは特に、10ドルや5ユーロの違いなら、行動半径に立地するホテルが結果として安くつくのです。
一緒に行く相手で決める、ホテル選び
ここまで、海外のホテル選びで気をつけるべき点について紹介してきましたが、一緒に行く相手によって気をつけなくてはいけないポイントが出てくることもあります。特に気をつけて欲しいシチュエーションを5つ想定して説明します。女性同士旅行のホテルの選び方
広々としたダブルシンクをゲットできれば喧嘩も解消!? |
子連れで行くときのホテルの選び方
まず、ホテルによっては12歳以下または16歳以下の子供は利用不可……などのポリシーがある場合も。子連れの場合は、事前の確認が必要です。また、そんなポリシーが無い場合でも、ホテルの雰囲気を阻害したり、他のゲストの迷惑になることが予想される場合は子連れでの利用は避けるべき。特に、幼児が一緒の場合は、ダイニングの利用は避け、ルームサービスを頼むくらいの気遣いは必要です。年配の人を連れてのホテルの選び方
みんな同室での宿泊なら特に問題はありませんが、年配のご夫婦が別室で利用する場合は、日系ホテルあるいは日本人利用者を意識したホテルがおすすめです。そんなホテルなら、コンシェルジュやフロントスタッフが日本語で対応してくれて、室内の”利用案内”も日本語で表記されているはず。特にバスルーム内のトイレやシャワーの利用は、”安全面”からも日本語表記が必要です。長期滞在するホテルの選び方
長期滞在用のアパルトマンを選べばキッチンも充実 |
新婚旅行でのホテルの選び方
絶対に失敗をしたくない、新婚旅行、ハネムーン……。普段から、海外への渡航に慣れていて自信があるという人は別ですが、そうでない人はとにかく無理をしないこと。予約の変更やキャンセルにもきちんと対応してくれる、旅行社のパッケージツアーが無難では。英語に自信がない人はホテルだって日本人スタッフがいるホテルをおすすめします。失敗すると、折角のハネムーンが台無しになります。海外ホテルの部屋タイプ
ミラノ最古のホテルGrand hotel et de Milan。上はヴェルディが27年間滞在したスイートルーム |
最後に、ホテルを選んだあとはホテルの客室も選ばなくてはなりません。ホテルの部屋は、海外旅行の印象を決定する大事な要素の一つ。何人で、誰と、何泊するのかで、おすすめの部屋タイプも違ってきます。
部屋タイプには主に以下の名称が使われています。
■シングル
■ダブル
■トリプル
■ジュニア・スイート(スタジオ・スイート)
■スイート
日本と同じですが、海外の場合、2名利用の部屋を“ダブル”と呼び、この中にシングルベッドが2つ用意されている“ツイン”タイプが含まれています。ジュニア、スタジオは、スイートのようにベッドルームとリビングという明確な2部屋の区分ではなく、TVのキャビネットなどで室内が分かれているタイプです。
“スタンダード”“スーペリア”“デラックス”なんて呼称もありますが、これは各ホテルが独自でつけているネーミング。日本でいうところの、松、竹、梅の意味。
ベッドのサイズは、シングルが横幅900~1200センチ(イタリアではイタリアン・タイプと呼び900センチと非常に狭いホテルが多い)、ダブルは、1800(クイーンサイズ)~2200(キング・サイズ)が一般的です。
以上、ご案内した“チェックポイント”を全て確認するのはとても大変です。しかしながら、面倒腐らずに、こまめな準備の先には“極上の滞在”が待っています。