配当が増加傾向にある銘柄が狙い目
単元株数以上の株式を保有する投資家には、決算期や中間決算期に配当が支払われます。配当は業績に応じて金額が変動します。また配当は利益の一部を投資家に還元する性質のものですから、株主を重視して配当を多くする、今年は配当より設備投資に力を入れるなど、企業の考え方によっても金額が左右されることがあります。利益のうち、いくらを配当に回すかは「配当性向」で確認可能。高いところでは30%程度となっています。好配当の銘柄を長期保有して配当を稼ぐ、という選択もあり。配当に魅力がある銘柄なら注目する投資家も多いですから、株価が上がりやすく、売却益が狙いやすい、という側面もあります。
配当狙いで銘柄を選ぶなら、マネーサイトなどにある企業レポートで、「1株あたり配当」の推移をチェックし、配当が増えているか減っているかを見てみましょう。過去2~3期連続で配当が増えている増配傾向の企業が理想的で、配当期待や成長性への期待の両面から、株価も上がりやすいといえます。
配当利回りが高い銘柄にはご用心
配当に関する指標のひとつに、株価の何%にあたる配当が得られるかを表す「配当利回り」があり、配当利回りが高いほど、投資額に対して得られる配当が高いことになります。しかし、配当利回りが高いからといってすぐに飛びつくのは危険です。配当利回りは「配当金額÷株価」で計算されるため、配当が増えなくても、株価が下がっていれば配当利回りは上がってしまいます。つまり、配当利回りだけで判断すると、株価が下がっている企業も魅力があるように見えてしまう、というわけです。
株価が値下がりしているということは…? 業績や業績予想が悪化している可能性が高く、業績が悪化すれば配当も減る可能性が出てきます。減配になれば株価がさらに下がってしまう危険性があるのです。
逆に配当が多くて業績が好調なら、多くの投資家が注目するため、株価は上昇。配当が多くても結果的に配当利回りは低くなります。
配当だけでなく、業績、株価のチェックもお忘れなく。
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取材・文/高橋晴美 監修/インベストラスト福永博之