防災/防災関連情報

地震対策の落とし穴

にわかに防災関連の番組が増えるこの時期。雑誌も関連特集が数多く組まれている。それ自体決して悪いことではないのだけれど、本当に役に立つ情報は実はほんのわずか。というのは一体どういうことなのか?

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

防災の日も近づき、TV、雑誌など各メディアはこぞって防災特集などを行う時期です。しかし、今年はこれまでと違って、国内外で大きな地震災害があったために、かなり前向きな報道を行っているようにも思えます。それ自体はとても喜ばしいことなのですが、それが本当に一般の人の被害軽減につながっているのでしょうか? 水や食料を3日分用意することが本当に防災につながるのでしょうか? 残念なことに知る限り、一般市民の意識はこの時期ほんの少し高まるものの実際に準備する人はごく少数。自治体のキャンペーンなども残念ながら効果的とは言いがたいのが現実の姿です。

地震対策の落とし穴

火災
阪神淡路大震災の時に起きた地震火災は効果的に消化をする手立てがなく多数の生命を奪ってしまいました。
防災対策とか避難訓練とか、正直に言ってしまうと、忙しい日本人にとってはとても面倒くさいことです。以前に被害を受けたことのある特定の地域の人以外、大多数の日本国民は実際は「そんなに大きな地震なんてくるわけない」「自分の家は被害を受けることはない」「その時になれば自治体が何とかする」と思っているのは間違いないでしょう。しかし、阪神淡路大震災のときも「関西には大地震がこない」と言われ。新潟中越地震のときも「山間部には地震がない」と間違った常識が存在していました。

日本人は世界でも最もおとなしく忘れやすい人種であるという意見があります。実際に自分もそう思います。ひとつの側面として良い点でもあるとは思いますが、政府がどんなに無策であっても怒ったりデモをしたりすることもありません。防災の日を過ぎるとメディアも防災をテーマにしなくなりますので、大きな地震でも起きない限り、大多数の日本人の防災意識が再び持ち上がることはないでしょう。しかしその地震が日本に壊滅的な打撃をもたらすような大規模なものであったならどうしますか? 

今、日本は統計学的に見て、大地震の多発する時期に入っているのは多くの地震学者が認めている事実です。そしてそれは日本列島に住んでいる以上、どこにいても逃れられません。ではどうすればいいのでしょうか? 何をどうすればいいのか、事実を直視して現実的な対策をしないと「その日」に直面したときにあなたは「被災者」「被害者」になる確率が高いことを教えてあげるべきなのです。



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