防災/防災関連情報

複合災害とモラルハザードの危険

大規模な地震災害や超大型のハリケーンなどが発生するとその後、被害地域では様々な二次的な災害が発生します。さらにそこに別の自然災害が加わることも。その可能性について考えておきましょう。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

大規模な地震災害の後に、場合によっては住みなれた家を離れ、避難所での生活を余儀なくされる可能性があります。地震災害による被害としては、倒壊などの直接の被害の他に、食料や水不足などから健康を害してしまう場合もあります。新潟・中越地震においてはトイレをがまんするために水を控えたがために体内に血栓が生じ、さらに狭い車内などで生活をしていた方が「エコノミー症候群」と呼ばれる病気で亡くなっています。これらを二次災害と呼びます。

複合災害とモラルハザードの危険

避難
避難所では狭い場所で過酷な生活を強いられます。その際に健康被害を受けることも多いのです。
また、これも中越地震の際に見られましたが、地震によって河川がせき止められて出来た「ダム」がその水量に耐え切れずに決壊した場合、大量の土石流が発生するケースです。今、まさに中国・四川ではこの災害の危険が迫っていて、そのため数百万人の人が政府によって避難させられています。このダムの規模は中越地震の際に出来たものと比較にならないほど大きく、もしも発生するとその被害は大変なことになるでしょう。

地震と大雨被害はその関連性がないように思われるでしょうが、もしもこの二つが同時に発生すると、その被害は格段に大きくなります。大きな地震後の大雨は山間部などでは山崩れや土石流など、様々な複合災害に発展する可能性があるのです。



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