防災/防災関連情報

阪神淡路大震災に学ぶこと(2ページ目)

阪神淡路大震災は、日本が初めて経験した首都圏における地震災害。そこには様々な学びのポイントがありました。大型震災の発生リスクは年々上がっています。ぜひチェックしてください。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

常識をくつがえす様々な「想定外」

ポリタンク
阪神高速の橋脚がものの見事に倒壊した事実は衝撃的な映像として紹介されました
まず阪神淡路大震災の最大の想定外は、その発生した事実そのものです。それまで関西地区は地震はたびたび起きたものの大規模なものは近年全く発生していませんでした。

もちろん断層の存在は確認されていたのですが、その発生確率は専門家においてもごくわずかにしか考えられていなかったのが実情です。そのため「関西には地震がこない」「地震が起きても大きいのはこない」という根拠のない誤った常識が存在していました。

また、関西地区には耐震基準に満たない多くの木造家屋が存在しましたが、被害者のうちの約5000人以上はその家屋の下敷きになってしまったということです。そして大規模な火災の発生。情報が正確に伝わらずに、幹線道路は震災地区に向かう市民の車で大渋滞し、緊急車両は全く機能しないという状態になりました。

関西ではそれまで地震を意識する住民は少なく、官公庁の地震対策も震度5を想定していて、震度7の強震の発生は全く想定外の出来事だったわけです。つまり、現在の進んだ科学技術においても地震を予測することは難しく、特に地中に隠された断層の動きは、予測が不可能であり、その存在すら確定することに困難があることを知らないとならないのです。

さらにこの時は多くの大規模建造物が破壊されました。その最たるものが高速道路の橋脚の倒壊や駅舎の崩壊です。もしも発生時刻があと数時間遅かったらば、渋滞になった高速道路や満員電車の中では、多数の犠牲者が発生したことは想像に難くありません。

このような事実から私たちは何を学ばなければならないのでしょうか。政府の防災会議では関西地区で今、M7クラスの強震が発生した場合には、最大で4万人もの死者が発生しうると発表しました。これは決して絵空事でも何でもありません。地震災害は今、この次の瞬間に起きるかもしれない災害です。ぜひできることから準備し始めて、今日この日から家族で対策を講じることをおすすめします。

日本全国どこにおいても地震の発生は避けられません。地震の発生予測は不可能。ならば常日頃から「その日」に備えていなければならないのです。地震の発生はその場所、その時間帯によって大きく被害が異なります。その場に応じた対応を想定していないと大きな被害の差が生まれてくるということを知っておきましょう。地震被害の最大の場所は家屋の安全。特に寝室での安全が計られていれば地震災害のほとんどは防ぐことが出来ると言ってもいいでしょう。

【関連サイト】
財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構

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