防災/防災関連情報

防災用品は生命を守ってくれない

9月1日を過ぎて、国民の防災意識のピークは超えてしまいました。これからは大きな地震でも続かない限り、人の関心は薄れるばかりです。でも本当にそれでいいのでしょうか? 危機はもうそこにあるのに…

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

今年は防災の日である9月1日を迎えるまでに、自分にもTVやラジオ、雑誌など普段あまり関わらないメディアから多数の声がかかるようになりました。しかし、その防災の日を過ぎると人々は急速に防災意識が薄れていきます。メディアも事件だ芸能だと視聴率を稼ぐ方向にシフトしていきます。日本人は世界でも最も物忘れが激しい民族のようで、日本が今、大震災前夜と言ってもかまわない程の危険時期を迎えていることを忘れてしまっている、または気づいてもいないかのようです。

防災用品は命を守らない?

棚
非常持出袋には防煙マスクや救急用品などに加えて常備薬などを入れておけばいざという時に助かります。女性は生理用品なども必須でしょう。
さて、このサイトにアクセスするような方は当然防災意識も高いと思われますが、この「防災」という言葉がくせ者なんですね。実は防災用品と呼ばれる物の多くは災害による被害を防ぐためのものではありません。言ってしまえば日本では地震災害は必ず万人に訪れるもので、避けられません。そして防災用品と呼ばれているもののほとんどは、人の生存確率や被害の程度を軽くするものと、避難生活を快適にしてくれるものにすぎません。

そこで大事なことはまず命を守ってくれる物を優先すること。水や食糧などの準備は否定はしませんがずっと後に考えるべき事なのです。防災用品というとみなさんすぐに非常持出袋を思い浮かべる方が多いと思いますが、あの中に、直接命を守ってくれそうな物はいくつ入っているのでしょうか?

もしも非常袋とともにヘルメットや防煙マスクなどが用意されていればかなり優秀です。救急用品や常備薬なども病気や怪我をした時に生命を守ってくれるかもしれません。しかし、非常食や水などはこの日本では二次的に用意すれば済むもので、現実的に用意していなかったからといって死ぬことはないでしょう。

それでは本当の「防災」をするためにはどんな準備が必要なのでしょうか。



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