喉に詰まったおもちは、容易に取れないため、呼吸が出来なくなって死んでしまうこともあります。
喉に詰まらせやすいものは、みかん、ちくわ、ピーナッツ(幼児の場合)などがありますが、中でも餅は粘りがつよいので、指を入れて取り除こうと焦ることによって、逆に押し込むことが多いのです。
苦しがって、歯をくいしばり、口の中に指を入れられないこともあります。しかし、初期の応急処置が出来たか? 出来ないか? によって、救命率は大きく変わります。
まず、気分を落ち着けて救急車を呼びましょう。
「すぐに詰まったものは取れるから、大袈裟にする必要はない」なんて思わないでください。特に、高齢者の場合は低酸素状態に馴れているとはいえ、短時間の呼吸停止でも体にはかなりの負担がかかります。しっかりと病院で検査をしてもらう必要があるのです。
到着を待つ間、応急処置にはいくつかの方法がありますので、落ち着いて行なってください。もしも自分たちで取り除くことが出来なくても、平均約5分で到着する救急車はもう手配してあるのです。焦って事態を悪くしないようにしましょう。
1:直接取り出し
まず、人数がいるのなら指で口の中の餅等が取れるかどうか試してみましょう。口に指を入れる時指をかみ切られる可能性がありますので、布を巻いた箸などでガードしておきましょう。この時、患者の舌を傷つけないように注意しましょう。そして、無理なようならばすぐに止める事。お餅を奥に押し込む可能性があるからです。
2:ハイムリック法(ハイムリッヒ法とも言います)
※ 上腹部圧迫法(ハイムリック法)は、10歳以下場合、胃や肝臓などの臓器を損傷・破裂させる危険性があります。背中をたたくだけにしましょう。
まず、患者の後側に回って手のひらで、手首のスナップをきかせて素早く背中を3~4回叩きます。
次に、患者さんのおなかを背中から抱きかかえます。そして、抱きかかえた時の拳側をみぞおちに当て、3~4回みぞおちを突き上げます。持ち上げるような感じで行いましょう。但し、肥満の方や大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)の患者さんは胸にあてて行なうようにしましょう。
やり方(図解:東京消防庁)
2.吸出し法
口を開けて、気道を確保するような形(口と喉を一直線にする)であごをのけぞらせてから、掃除機の細い吸引管で吸い付けます。先っぽを取ってしまってもいいのですが、掃除機の先端を口の中に入れるときは、掃除機のスイッチを切った状態で奥の方迄入れてからスイッチを入れて下さい。この時、必要以上に口の中で先端を動かさない方が周りを傷つけず良い様です。レベルを最強にすることも忘れずにして下さい。舌は箸や指で押さえて吸い込まないように注意しましょう。
これらの対応をあきらめずに試みてください。異物が取れても呼吸が戻らないことがありますが、救急車を呼んであれば、ここまでやっている間に到着しているはずです。
心肺蘇生法(図解:総務省消防庁)
救急隊員が到着した時、発見した状況、応急処置などを的確に報告して下さい。
事前の予防策はこちら。