13年11月7日午後8時20分ごろ、埼玉県越谷市の木造3階建て住宅で火災が発生しました。この火災の焼け跡からは子供4人の遺体が見つかったほか、7人の方が負傷しました。どうやら火災の原因には「天ぷら油」が大きく関わっているようです。11月9日0:20現在の情報では、そこまでしか分かっておりませんが、そもそも『天ぷら油火災』とは、どのような火災なのか、何に注意すれば防げるのかをお伝えしたいと思います。
天ぷら油を原因とした火災のほとんどは、火を止めずにその場から離れたことが原因で起きています。揚げものをしている時はその場から離れないことは常識だと思うのですが、「うっかり」とか「ちょっと」とか思ってその場を外してしまうケースが多いのです。特に不意の来客や電話などのときに、気が緩んでしまうケースが多いと聞きます。この手の火災はほとんどが、器具の故障や欠陥でなく、人為的なミスにより発生しています。少しの間でも、火元から離れる時には必ず火を消すのが鉄則です。
天ぷら油は過熱を続けると、口火がなくても自然に発火してしまいます。この発火に熱源の種類は関係ありません。また、コンロの火を弱火にしても、15分~20分も過熱し続ければ火はついてしまうのです。
加熱を続けた場合の、発火までの一例
5分後 約 180度 天ぷらをあげる適温
10~15分後 220~320度 白煙と異臭が出る
23分後 360度以上 発火
※ 油の新鮮度、揚げ物の有無、鍋の大きさや形状によって異なります。
平成13年度の1~6月までの間で、既に3,026件のコンロ火災が発生しています。(総務省消防庁より)この数字は、とても脅威です。昨年度(平成12年)のコンロ火災を原因とした火災は、5,636件でした。最新式のガス器具には、温度検知器やストップ機能などがある為、減少傾向だったコンロ火災でしたが、このままでは前年を上回る可能性もあります。