離婚/離婚を決意する前に

夫のための離婚マニュアル(2ページ目)

女性のための離婚の話題が多いこのサイトですが、今回は夫のためのマニュアルを書いてみました。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

より正しい選択のために夫がすべきこと

なぜ、このようなことが求められるのかというと、最後に男性がとった態度や行動がその後の家族のあり方を決めるからです。

妻が「別れたい」と言っても、その感情を冷静に判断し、妻と何度も話し合うことで修復できた例はたくさんありますが、逆に夫が妻の気持ちを受け入れられずに「俺のやり方が気に入らないなら出ていけ!」と感情的な態度になってしまったために、やり直しができなくなってしまった例はそれ以上に多いのです。

日本の家庭では、日頃は妻が取り仕切っているが、何か問題が起きたときには夫が素早く冷静に対処することが求められているのです。夫婦関係のことだけでなく、子どもの不登校や非行といった問題行動でも、これができた家庭は問題を解決に導くことができるようです。

「夫婦が別れるのか、別れないのか」の判断は、お互いのその後の人生に大きく影響を及ぼすだけでなく、子どもや親や親戚や職場といった周囲の人々にも少なからぬ混乱をもたらします。だから、決断までにはどんなにじっくり考えても慎重すぎるということはありません。

しかし、やはり最終的には夫婦で決断したいもの。子どものことや、世間体や、経済的な問題とは別の次元で「これ以上一緒に生活していても幸せにはなれない」という結論が出たら、思いきって別々の再スタートをする勇気も必要です。

もちろんそのときの条件などについては、周囲の人々にできるだけ迷惑がかからないことを念頭に置いて決めましょう。特に子どもはたとえ別れて暮らしても、自分たちの子どもです。彼らが自立できるようになるまで責任を持つ義務が親にはあるのです。

この義務は子どもを養育している親が再婚して、子どもに新しい父親や母親ができたとしても変わりません。例えば、不倫相手と子どもは養子縁組をすれば親子となるのですが、そんな場合でも子どもが必要としていれば、元夫には養育費を払う義務があります。

まさか、どうして?と思われるかもしれませんが、妻の不倫や再婚と、子どもの養育は関係のない問題です。もちろん元夫の経済状況や新しい家庭があるかどうかなどの状況によって養育費の金額は変わりますし、不倫相手であった妻の新しい夫に慰謝料を要求する権利もあります。

また、シングルファーザーとなって子どもを養育する立場になっても、母親との面会はできる範囲でかなえてやる、元妻の新しい人生を応援してやる、という態度は決して未練がましいものではありません。最初は周囲の人に誤解を受けようと、堂々と信念を貫いてください。

今、父性の復権という言葉をよく耳にしますが、これからの時代で求められる父性とは家族のことを思いやり、りりしく振る舞う態度ではないかと私は思います。
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