(ケース2)多額の慰謝料をもらっても心の傷はいえない
協議離婚
夫;37最 妻33歳 結婚生活 6年 子供;なし 慰謝料 500万円 財産分与1500万円(他に車1台)
K美さんは売れっ子のディスプレイデザイナー。結婚後もそれまでと変わらず仕事を続けてきました。出版社に勤務する夫とは、いわゆるディンクスで結婚生活をやってきたわけです。子供はいらないと決めていたわけではないけれど、時間の不規則な仕事のことを考えると、育児と両立できる自信はなかったと言います。
そんなとき夫の浮気が発覚。さらに相手の女性が妊娠であることまでわかりました。
「君のことは愛しているけど、どうしても自分の子供が欲しい。相手と結婚するので、離婚して欲しい」と夫は言ったそうです。K美さんもショックでした。なんなら、その人に生んでもらって一緒に育てようか、とも考えましたが、そんなことできるわけがありません。仕方なく離婚届に判を押しました。
夫婦でバリバリ働いていたので、お金はありました。500万円の慰謝料と、都心の一等地に買ったマンションを売って財産分与の1500万円が支払われましたが、K美さんの心には深い傷が残っています。「夫には、そんなに子供が欲しかったんなら、そう言ってくれればよかったのに、と言ってやりたかったですね。その気持ちを考えると、慰謝料なんて、いくらもらっても足りない気がします。感情はお金で換算できるものではありませんから」
最後に一言
結婚は周りも自分たちも積極的なので本当にスムーズに事が進みます。しかし、離婚はお互いの心は離れ、最後に泥沼化して、そしてお金の話で一層こじれるケースが多いのはご存知の通りです。人間、お金の部分は本当にシビアな部分です。この部分をいかにスマートにクリア-していくのかはその人の考え方によるものですから、第3者が口を挟むことではないと思いますが、出来るだけ早く、そして冷静に話を進めて行くのがお互いに傷つかないベストな方法だと思っています。
日本ではまだ結婚に際しての契約書はありませんが、いずれ別れるときには慰謝料をいくら払うというような婚前契約をしてから婚約をするという方法も出てくるかもしれませんね。そうなれば相手をよく知らないと簡単に結婚も出来ないですし、別れるときもかなりじっくりと考えないと多くの慰謝料を払わなければならないということになると思います。愛憎の心とお金は人間が何千年も暮らしてきて、いまだ解決しない問題のひとつです。また後日、違う観点からこの問題についてクローズアップを書きたいと思います。
<関連サイト>
「離婚」慰謝料
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