恋人募集の新聞広告にドイツ人気質がのぞく
なにしろドイツ人は生真面目で合理的です。以前、現地ドイツ人にインタビュー形式の「ドイツ人夫婦のパートナーシップ調査」を依頼したことがあります。ところが待てど暮らせど調査結果があがってきません。「ドイツ人は生真面目だと思っていたのに!」となかば憤慨して催促の電話をかけたところ、「今、条件の合う人を新聞広告で募集しているところ」という(うひゃ~)。「いいのよ。お友達のお友達とか。紹介で」といってもとりあってくれません。「新聞広告が一番間違いない」と。
こんなことが、どうやら恋愛にもあてはまるらしい。ドイツの土曜日の新聞は不動産や求人広告で分厚くなっているが、負けじと大きなスペースを占めているのが結婚相手や恋人募集の広告。新聞の一ページがこんな文章で埋め尽されます。
「私は、三八歳で広告会社管理職の女性。ユーモアがあって情熱的です。旅行とワインが好き。一緒にフランスを旅するパートナー募集中。タバコを吸わない三五歳~四三歳の男性、ぜひお手紙ください(写真同封願います)」。
自分のPRに加えて相手の(最低限ともいうべき)条件が入っているのがドイツ流の合理性といえるでしょう。
日本もインターネットが普及してから出会いサイトが花盛りです。ドイツ同様、男女共に積極的なアプローチが展開されております。出会い、恋愛には国の違いはないんだなあと感じる次第です。
今回はドイツの状況と日本との比較を見て参りました。ドイツというとイメージ的に合理的という言葉が出てまいりますが、結婚や恋愛、離婚についてもお互いが納得して行う姿勢を持っているような気がしました。日本の結婚はどうしても「家」の問題や体裁やしきたりを重んじるあまり結婚する本人同士の意志が軽視されることがしばしば見られます。我々も時代とニーズにに合わせて、他の国のいいところを学んでいきたいものです。
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