琵琶湖の東岸に位置する滋賀県の近江八幡。豊臣秀吉が城下町を築き、やがて近江商人の町として発展してきた土地です。商人の屋敷や白壁土蔵など、江戸時代以前の風情が残る街並みが今も残り、まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ります。とはいえセットではなく、地元の人たちの暮らしが今も息づいています。今回は近江八幡をお散歩してみることにしました。東京駅から大阪駅を経由し、JR京都線・琵琶湖線新快速で約1時間ほどで近江八幡駅に到着します。
近江商人が暮らした街並みを歩く
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近江商人の暮らしを肌で感じる新町通り |
近江八幡駅から北へ20分ほど歩くと、商家の街並みが続く、新町通りに出ます。豊臣秀吉が築いた八幡城下は、美しい碁盤の目状の街並みが形成されているのですが、この辺りは近江商人を代表する豪商の屋敷や土蔵が残り、当時を偲ばせてくれます。通りには旧西川家住宅、旧伴家住宅のほか、歴史民俗資料館や郷土資料館などが並び、当時の生活風景や道具から近江商人の暮らしを知ることができます。
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ヴォーリズが設計した旧八幡郵便局 |
このような古い街並みに溶け込むようにあるのが、洋風建築の数々。これらは、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズによるもの。全国各地に約1600件もの建築物を残すなか、近江八幡を愛してやまず、この地に住み多くの建築物を残しました。この一帯を歩くだけで、旧八幡郵便局、旧近江八幡YMCA会館、旧ウォーターハウス邸、ダブルハウスといった、明治後期から大正時代にかけて建てられた洋風建築に出合うことができます。いずれも外観を見学することしかできないのですが、和の街並みに不思議と溶け込んで素敵でした。
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予約すれば内部見学可能なヴォーリズ記念館 |
そのなかで唯一、ウォーリズ夫妻が半生を過ごしたというヴォーリズ記念館のみ、事前予約をしておくと見学することができます。館内には実際に使用されていた家具や調度品類、愛用していたピアノやカメラ、眼鏡などが展示されていて、ついさっきまでそこにいたかのような生活感が漂っています。
さらに北を目指すと、八幡堀というお堀に突き当たりました。遊覧も楽しめるようです。詳しくは次ページへ。