東京最旬アートスポット、国立新美術館へ

2007年1月21日、東京・六本木に新しいアートスポットが誕生しました。日本で5つ目の国立美術館「国立新美術館」です。コレクションを持たず、1,000?の展示室10室、2,000?の企画展示室2室という国内最大級の展示スペースを生かした多彩な展覧会を開催していくのだそう。建築物としても一見の価値アリと聞き、早速観に行って来ました。

東京メトロ千代田線の乃木坂駅から直結、日比谷線や大江戸線の六本木駅からも4～5分とアクセスがよく、六本木ヒルズからも5分ほどの近さにあります。六本木の喧騒から離れた広々とした敷地内にあり、静けさに包まれた空間です。

波打つようなガラスカーテンウォールが印象的。アトリウムは開放感いっぱい

波がうねるような曲線を描くガラスカーテンウォールに周りの緑が映りこみ、周囲の環境と調和しています

正門を入ると、波打つようなガラス壁に覆われた建物がドーンと目の前に現れます。設計は世界的に有名な建築家・黒川紀章氏によるもの。

吹き抜けを上階から見下ろすと、円形のカフェが見えました

エントランスロビーに入ると、3階まで吹き抜けになっていて、傍らにコンクリートの巨大な逆円錐が天井に向かって伸びていて、圧倒させられます。実はこのてっぺんはレストランになっているのです。

アトリウムは天井高21.6m、ガラスカーテンウォールから入る陽射しが心地よく、周囲の緑が眩しく映ります。紫外線が気になるところですが、日射熱・紫外線をカットする設計になっているので安心です。近代的なデザインでありながら、建物は周囲の緑と調和し、共存している印象を受けました。

アメデオ・モディリアーニ＜デディーの肖像（オデット・ヘイデン）＞1918年頃

現在3つの企画展が開催されていますが、なかでも注目したいのは「異邦人（エトランジェ）たちのパリ1900-2005」です（5/7まで）。近現代美術を多数有することで知られる、パリのポンピドー・センターの所蔵作品の中から、パリに渡り創作した20世紀初頭から現在までの外国人芸術家の作品、約200点が展示されています。

マン・レイ＜黒と白＞1926年

ピカソ、シャガール、モディリアーニなどの画家だけでなく、ブランクーシやジャコメッティなどの彫刻家、ブラッサイやマン・レイなどの写真家に至るまで幅広いジャンルの芸術家の作品が展示されています。もちろんレオナール・フジタこと、藤田嗣治や堂本尚郎など、パリで才能を開花させた日本人の作品にも出合えます。さらに、現在も活動を続ける中国や南米、アフリカ出身の現代芸術家といった多彩な顔振れが一堂に揃う、貴重な企画展です。

クロード・モネ＜日傘の女性＞1886年（オルセー美術館）Photo:RMN

3/19までは、美術館の設計に携わった黒川紀章の主要作品を回顧する「黒川紀章展」や、20世紀美術の展開を絵画、彫刻をはじめ、デザイン、工芸、建築などの分野も含めて紹介する「20世紀美術探検」も行われていて必見です。

また、4/7～7/2には、世界の美術館から印象派の巨匠、クロード・モネの作品が集結する「大回顧展モネ」を開催予定です。

クロード・モネ＜モントグイユ街、1878年パリ万博の祝祭＞1878年（オルセー美術館）Photo:RMN

フランスのオルセー美術館をはじめ、アメリカのボストン美術館、メトロポリタン美術館などの主要コレクションから100点近い名作が集められます。これまでにない大規模な展覧会とあって、モネファンには見逃せない絶好のチャンスといえるでしょう。今から待ち遠しいですね！

「国立新美術館」
・住所：東京都港区六本木7-22-2
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：03-5777-8600（ハローダイヤル）
・営業時間：企画展10:00～18:00（入館は17:30まで）※会期中の毎週金曜は20:00まで（入館は19:30まで）
・定休日：火曜（祝日または休日の場合は開館し、翌日休館）、年末年始
・観覧料：展覧会により異なる（「異邦人たちのパリ1900-2005」、「大回顧展モネ」は一般1500円）
・交通：東京メトロ千代田線乃木坂駅6番出口（美術館直結）、または都営地下鉄大江戸線六本木駅7番出口から徒歩4分、または東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分

実は、こちらの美術館の魅力は美術鑑賞にとどまりません。グルメを唸らせる名店がフランスから到来！　私もしっかりと味わって来ましたので、次ページで感想も交えてご紹介します！