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庭園や自然もアート!山陰のオススメ美術館

島根と鳥取の美術館に行ってきました。日本画を中心にした足立美術館と、鳥取出身の植田正治の写真美術館。テイストは異なりますが、いずれも自然を効果的に取り込むという意味では、共通するものを感じました。

塩田 典子

執筆者:塩田 典子

一人旅ガイド

前々回、出雲・松江の縁結びトリップについてご紹介しましたが、今回はそこから足を延ばして行くこともできる島根・鳥取のオススメ美術館をご紹介したいと思います。先日、お仕事で島根方面に行く機会があったのですが、以前から興味を持っていた美術館でしたので思い切って行ってきました。

まず1ヵ所めは島根県安来市にある足立美術館です。JR松江駅からJR山陰本線普通列車で約25分、安来(やすぎ)駅からは1時間に1本程度無料シャトルバスも出ているので、アクセスも便利です。

四季折々に表情を変える日本庭園も作品

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勝山を中心とした山々を背景にした「枯山水庭」。秋は借景からモミジが赤く染まります
こちらの美術館は1万3000坪の大庭園を有し、日本庭園の美しさでも知られています。その証拠に米国の専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで、2003年より4年連続で第1位に選ばれるという快挙を遂げました。創設者の足立全康氏が庭園をこよなく愛し、92歳で亡くなるまで全国から植栽の松や石を集め、庭作りに情熱を傾けていたといいます。枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭など6つの庭園は周囲の山々の景色と相まって、窓から望む景色はまるで額縁に入った絵画のように見えます。

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館内で最もカエデの紅葉が美しい茶室「寿立庵」の庭園。こちらでは1500円で茶室への入館と抹茶が楽しめます
私が訪れた時期はちょうど紅葉の最盛期。美しく手入れされた松の木々の間に真っ赤に染まるカエデが混じり、さらに遠くの山々も赤や黄に色づき、あまりの美しさにあちらこちらで歓声が上がっていました(紅葉は例年12月初旬頃まで楽しめます)。

冬になれば雪の薄化粧がほどこされた庭園を、春はツツジやサツキが新緑に色を添え、夏は木々も山々も濃い緑を放ち、四季折々に目を楽しませてくれるのです。外に出て散策することはできませんが、人のいない風景だからこそ、絵画のごとく楽しめるのかもしれません。館内を歩いていると、床の間の壁をくり貫き、まるで一枚の掛軸がかかっているかのように見える「生の掛軸」や「生の額縁」などが、そこかしこに設けられています。


約130点の横山大観コレクションは圧巻!

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竹内栖鳳「爐邊(ろべ)」(足立美術館所蔵)。冬季特別展(12/1~2/28)に出展
こちらの美術館には足立氏が長い年月をかけて蒐集した、近代日本画壇の巨匠の作品約1300点が収蔵されており、常設展と年4回展示替えされる特別展で鑑賞することができます。注目したいのは約130点の横山大観コレクション。常時25点ほどが展示されていますが、11/30までは秋季特別展としてコレクションの中でも最大級の作品といわれる屏風「紅葉」が目を楽しませてくれます。

ほかにも川合玉堂、上村松園、富岡鉄斎など約30名ほどの巨匠の作品が鑑賞できます。12/1~2/28は大展示室・大観室にて冬季特別展「日本画の開拓者たち」を、小展示室にて「榊原紫峰の花鳥」を開催します。


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橋本関雪「夏夕(かゆう)」(足立美術館所蔵)。冬季特別展(12/1~2/28)に出展
さらに陶芸館には、地元・安来出身の河井寛次郎と、書や料理、陶芸などさまざまな分野で活躍した北大路魯山人の作品を展示していて、こちらも必見です。

足立美術館
・住所:島根県安来市古川町320
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL:0854-28-7111
・営業時間:9:00~17:00(4~9月は~17:30)
・定休日:無休
・入館料:大人2200円
・交通(電車):JR山陰本線安来駅から無料シャトルバスで約20分
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