精子の異常ってどういうこと
「妻のため、俺のために検査を受ける・・」 |
精子の異常について詳しくおしえてください。食事や生活習慣も関係ありますか。
辻先生:
精子の異常には,精液中にまったく精子がいない「無精子症」、精子の数が少ない「乏精子症」、精子の動きが悪い「精子無力症」、精子の形が悪い「精子奇形症」などがあります。喫煙やお酒の飲み過ぎは精子に異常をきたすことが知られています。一般的に身体に良くないとされていることは精子にも良くないですね。精巣を温めるのも良くありません。
ガイド 二松:
精子の検査はどのような内容ですか?
辻先生:
顕微鏡で精子の数や動きを観察するのですが、WHO(国際保健機関)の現在の基準では精液の量は2cc以上、精子の数が全体で4000万個以上、動いている精子が50%以上、形の良い精子が20%以上、生きている精子が75%以上とされています。
ガイド 二松:
私はEDガイドライン作成委員をしていまして、EDとセックスレスの研究をしています。精子の異常とEDは関係ありますか?
辻先生:
精子の異常とEDとには直接の関係はないと考えられています。しかし、共通した原因というのはいくつもありますね。たとえば、喫煙はEDにも精子にも悪影響をおよぼします。
ガイド 二松:
男性不妊外来がある病院、あまり聞いたことがありませんが、日本には少ないのですか? 海外の様子も教えてください。
辻先生:
欧米でも不妊治療は婦人科が中心で,独立した男性不妊外来というものはあまり多くありません。日本ではさらに少ないですね。大学病院のような大きな病院にはいくつかありますが,専門のクリニックはないに等しいです。