コミュニケーションテクニック
コミュニケーションの細かいテクニックをお伝えします。★相手の言い分を聞きながら気づかせる
人は、やはり「はしの持ち方」でも欠点や面倒なことは指摘されると、むっとくるというのが基本的に性分ですので。
「あんたはいつもこうなのよ!」「私はこうしてほしい」と断定形で決め付けて入るのではなく「私は、こう思うが、あなたはどうかしら?」「私ができなくて困っている状況を、どうすればいいかしら?」
といったような疑問形で相手の言い分も聞いてあげながら気づかせるといった心配りが不要なぶつかりあいを減らすと思います。
これは、精神科医が患者さん自身の問題点に気づいてもらうためにつかう配慮のテクニックです。
★共同作業方式で解決に導く
次に、改善してもらいたい点を伝えるときにも、「あなたのここは、私にとって問題だから、こうしてよ」といったようなストレートな対面形式では、正論であるほど特
にプライドの高くぐうたらな男性ほど基本的に反発してきますから・・・
お互いの夫婦関係を円滑にするために、「あなたのここをこうすると、お互いのメリットになるのではないか?」「結果的に、それがあなたのトクになるのよ」といったような一緒に問題解決しているような共同作業的に演出するのもコツだといわれます。
★不満を言うなら一個だけ!
また、ついつい不満を言うときにはたまりたまったものがあるからか、特に女性はあれもこれもと一度に多くのことを爆発させがちですが、相手は一度には変われませんし、伝えるべき不満を言うならその場の関係ない枝葉をつけずにシンプルにひとつのことだけについて絞り、もし何か相手の変えてもらうにしてもまずは簡単な第一歩目のひとつだけからスタートすることが、その後の展開を有利にすすめるためのコツでしょうね。
もし、不満がいっぱいあるにも関わらず、互いに忙しくて話し合いの時間もままならないようであれば、手紙やメールでやりとりするとか、5分でもいいから、時間をつくってもらうとかそういったところからスタートしてみるのも夫婦療法などではよくやられる方法です。
夫婦関係の不満というのは相手だけの問題というだけではなくて、元々あった自分のコミュニケーションなどの問題が夫婦という濃密な関係の中で活性化しているのだと謙虚に考えるべきだとは思います。どんな相手と一緒になっても必ず、なんらかの問題は生じるわけですから。
最上先生の鋭い考察、アドバイスは、夫側にも妻側にもたいへん参考になります。「不満を言うなら一個だけ!」これは、ハッと考えさせられるお言葉でした。なるべく文句は言わないように、でも言わずにいられない時は、一個だけビシっと的確に伝えましょう。それは、夫婦のためであり、自分のためでもあるのです。
●最上悠先生とは
最上悠先生のご著書
・「家族をうつから救う本」(河出書房)
今回の内容のような夫婦関係や子供との関係性をうまく行かせるためのコミュニケーションについて、人間関係をテーマとした薬以上の医学的効果も証明されている対人関係療法いう世界標準のカウンセリングの立場から書かれています。
●二松主宰夫婦仲相談所