鉄道/おすすめ鉄道旅行

快速「みえ」に乗って海を見に行こう!(3ページ目)

名古屋から伊勢志摩を目指す旅。4両または2両というミニ編成だが、JR参宮線を走る快速「みえ」の最終ルートでは海に沿って走るという絶景が待っている。青春18きっぷも一部区間をのぞいて使用可能なので、鉄道旅行を楽しみたい人は、ぜひ乗ってみていただきたい。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

いよいよ海に沿ってラストスパート


快速「みえ」号
鳥羽駅に到着すると早々と名古屋行きに表示を変えて、しばしホームで休息する快速「みえ」。

外国人旅行客は、ほとんどが伊勢市で降りてしまい、閑散とした快速「みえ」は、いよいよ最終行程に入る。まとわり付いてきた近鉄も山の方に去ってしまい、参宮線は海に近いところを走り、次の停車駅は二見浦だ。夫婦岩で有名な二見浦(ふたみがうら)の最寄り駅らしく、JRになってから建て直した駅舎は夫婦岩をイメージしたユニークなもの。但し駅名は二見浦(ふたみのうら)と読み方が異なる。

臨時駅・池の浦シーサイドを通過

臨時駅・池の浦シーサイドを通過すると参宮線の線路は海岸に躍り出る。リアス式海岸の複雑な海岸線が興味深い。


参宮線唯一のトンネルを抜け、小さな松下駅を通過、その次の臨時駅池の浦シーサイドをかすめると、いきなり海の景観が車窓に飛び込んでくる。海といっても外洋ではなく、志摩半島のリアス式海岸なので、複雑な海岸線が目を楽しませる。右に左にカーブしながら海岸線を快走する。一瞬ではあるが、海の中に造られた堤防の上を走る場面もある。

車窓から見える海岸のリゾート・ホテル

車窓からは海岸のリゾートホテルも見える。リゾート地にやってきたと心躍る一瞬だ


飛び出した入り江の先には立派なリゾートホテルも見える。海沿いの観光地らしい情景が展開する。この車窓を見るために、わざわざ快速「みえ」に乗ったのだが、その選択は正しかったようだ。商船学校の波止場に停泊する練習船の姿も見えると、終点の鳥羽は近い。突然、頭上を線路が跨いで、海沿いに近鉄が寄り添う。そのまま一緒にしばらく走ると鳥羽駅の構内に入っていく。名古屋から、およそ1時間45分の旅は終わった。

鳥羽駅とその周辺

イルカの噴水

近鉄鳥羽駅前の海浜公園にはイルカの噴水があってリゾートらしい雰囲気だ


JR鳥羽駅は終点の行き止まりの駅である。広くて長いホームを持て余し気味で、それに較べると、4両ないし2両編成の快速「みえ」は小さく見える。あっという間に乗客がいなくなってしまうとホームは閑散としてしまった。一方、すぐ隣の近鉄ホームは、ひっきりなしに電車が行きかい混雑している。JR側の駅前には人もまばらな商店街があり、ぽつんと立っている鳥居が淋しげだ。

しまかぜ

人気ある近鉄の豪華観光特急「しまかぜ」


近鉄側に渡ると、駅前も大きく観光バスが発着している。その先は、もう海だ。海岸には公園があり、イルカが踊ったような形の噴水が鳥羽らしい。その向こうには沖に浮かぶ島が見えるが、そこにはホテルやレストランもある。賑やかなリゾート地で過ごした後は、その気分を引きずった近鉄の特急「伊勢志摩ライナー」や豪華観光特急「しまかぜ」などで帰るのがふさわしいかもしれないと思った。

関連サイト(海が見える鉄道旅行)
海を眺める観光列車『みすゞ潮彩』の旅
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