後免町駅は「ありがとう駅」?
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後免町駅のキャラクターは可愛い女の子だ。 |
高架線に上り、右に左にカーヴすると早くも次の駅だ。名前は「後免町(ごめんまち)」という。階段で地上に降りる。駅前には、この駅のキャラクターである女の子の人形が立っていた。名前は「ごめん・まちこ」さん。赤い帽子を被り赤い服を着て、目がぱっちりした可愛い子だ。
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やなせさんの詩ありがとう駅 |
それにしても、後免駅と後免町駅では紛らわしいなあ、と思ったら、ちゃんと言い訳の看板が壁に掛かっていた。「ごめん駅とごめん町ではまぎらわしい」から「ごめん町駅の愛称をありがとう駅にすればひびきあう」そうだ。これも、やなせたかしさんの発案で駅に愛称を付けるという面白いアイデアだ。「ごめんごめん」「ありがとうありがとう」。皆がこんな風に声を掛け合えれば穏やかな社会ができあがるだろうにという、微笑ましいやなせさんのメッセージである。
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ここから高知市中心部へは土佐電鉄が便利だ。 |
後免町駅の前には路面電車の停留場もある。ここが終点で、高知市内方面へ電車は折り返していく。歌にも歌われた「はりまや橋」あたりへ向かうには、ごめん・なはり線とJR土讃線を乗り継ぐより、この土佐電鉄に乗るほうが便利だ。この電車、かつては安芸方面まで線路を延ばしていたのだが、「ごめん・なはり線」建設のために用地を提供する名目で廃止されて、この駅が終点になってしまったという歴史がある。
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沿線の安芸は阪神タイガースが春のキャンプを行うので、こんな列車も走っている。 |
過去に思いを馳せていると、まだ新しさが残る高架橋上を列車が颯爽とやって来た。「ごめん・なはり線」のディーゼルカーは、安芸を経由して、その先の奈半利(なはり)まで向かうのだ。各駅には愉快なキャラクターが揃っているのだが、それはまたの機会に紹介しよう。