地上に地下に、網の目のように張り巡らされた東京の鉄道網。その路線図を眺めていると、本線からちょこっとだけはみ出した路線を見つけることはありませんか?用事がなければ乗らない、多くの人が素通りしてしまうそんな1駅か2駅だけのはみ出し線、人呼んで「枝線(えだせん)」。
都会の中でそういった枝線が生まれた経緯をたどってみると、意外な事実に驚くことも。距離は短いけれど、どこか不思議で好奇心をくすぐる枝線。
シリーズ4回目は、西武鉄道・豊島線です。
旅の起点となる西武池袋線・練馬駅 |
練馬駅へは、私の自宅からバスで10分ほどと近い。だから、早起きして朝から出かける必要もないなとのんびりしていたら午後になってしまった。秋の短い陽は早くも西に傾き出し、あわてて家を出た。練馬駅行のバスは途中で豊島園駅前のバス停を通るのだが、起点側から乗りたかったので練馬駅まで行った。
練馬区に引っ越してきてから7年経つが、昼間にこの駅前を歩くのは久しぶりである。区役所もある練馬駅周辺は、西武池袋線の高架化でここ10年の間にずいぶんと様子が変わっている。
立派なバスターミナルもできている。東京の西部は南北方向を結ぶ鉄道路線が少ないためか、練馬駅には都営バス、西武バス、京王バス、国際興業バスと4社のバスが入り乱れ、若干路線バス好きの気もある私には楽しいところなのだが、今日はバスの観察に来たわけではない。
豊島線の旅はあっという間の2分間
豊島線に直通する電車は8両編成 |
電車は8両編成であった。本線には10両編成も走っているが、豊島園駅のホームの長さの関係で8両編成までしか入れないのだという。とはいえ、これまで訪れた枝線の中では最長だし、全国的にみてもトップクラスの、長大な編成が走る枝線ではないだろうか。さすがは都会の行楽地輸送も担う路線である。
練馬駅を発車するとすぐに高架線を降りる |
この、本線と分岐する時の「カーブ具合」を味わうのは、枝線に乗る醍醐味の一つなのである。
そのカーブが終わったと思ったらもう終点の豊島園駅が見えていて、すぐに停まった。西武豊島線の旅はあっけないのである。時刻表上の所要時間は2分となっているが、体感的にはもっと短かいような気がした。
では、豊島園駅で下車してあたりを散策してみよう。 >>