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北海道&東日本パスで札幌へ!鈍行急行乗り継ぎ旅行記(3ページ目)

連続した5日間、JR東日本とJR北海道の普通列車が乗り放題の「北海道&東日本パス」。青春18きっぷでは乗れない路線にも乗れるこの切符で、上野~北海道まで鈍行と急行を乗り継いで行ってみた旅行記(前編)

執筆者:高橋 良算

旅の始まりは貸切りグリーン車
上野5:47→7:28宇都宮

上野駅
上野駅5番線から旅は始まった
いきなりだが、宇都宮まではグリーン車に乗車する。札幌まで24時間以上の長丁場だから少しでも体力を温存しておきたい。それに、東北本線の普通列車は通勤電車タイプのロングシート車両が多いというのを見越してのことでもある。

宇都宮までのグリーン料金は950円(平日料金)。これだけで「北海道&東日本パス」1日分の半額だ。格安旅行者にとって相当な贅沢ではある。平日早朝の下り列車だから、グリーン車はガラ空き……というか、1階と2階合わせても乗客は私一人だった。

荒川の鉄橋を渡った。しかし埼玉県ではまだまだ旅気分は出てこない。せっかくグリーン車に乗っているのに残念なことである。

大宮あたりからは、都心に向かう上り線のホームに人が多くなってくる。通勤時間帯が始まったのだろう。当然だが、都心から離れれば離れるほど通勤時間は長くなるから、その分人々は早起きになる。

貸し切り状態だったグリーン車に、東大宮から1人乗ってきた。あまりにも空いているとそれはそれで寂しいから心の中で歓迎していると、彼は次の蓮田で降りてしまった。どうやらタダ乗りのようだ。サラリーマン風だったから、ひょっとすると常習犯かもしれない。

霧に煙る利根川を渡る。これで栃木県に入ったような気がするが、意外にもここから8kmほどは茨城県内を走る。次の古河駅は東北本線唯一の茨城県の駅だ。

古河駅の西2.5kmほどのところに「渡良瀬第一貯水池」というのがある。この付近では茨城・栃木・群馬・埼玉の県境が入り組んでいて面白い。もちろん、それは地図で知っているからであって、風景を見てわかるわけではない。ただ同じような住宅が建ち並んでいるだけである。

グリーン車
結局最後まで貸切りだったグリーン車
要塞のようなパチンコ店をかすめると小山に着く。このあたりからは、宇都宮への通勤通学圏なのだろう、徐々に乗客が増えてきた。さすがに県庁所在地には引力がある。

右窓に貨物ターミナルのコンテナが現れ、この列車の終着・宇都宮に到着した。

名残惜しいが、快適なグリーン車とはこれでお別れである。結局、件のタダ乗り客以外に、誰も乗ってこなかった。

通勤ラッシュの宇都宮駅
宇都宮7:37→8:28黒磯

宇都宮駅
早速ロングシートの洗礼を受ける(宇都宮)
栃木県の県都・宇都宮はちょうど朝のラッシュ時間帯にかかっていた。ホームには人があふれている。高校生がやたらと多い。すぐそこにある階段までなかなかたどり着かないが、我先にと人を押しのけて行くような輩はおらず、皆おとなしく上っていく。

いいにおいのするそば店を横目で眺め、隣のホームへ下りる。黒磯行の列車は乗り込むとすぐに発車した。ロングシートのみの車両編成で、グリーン車から乗り移ると、その差がひときわ大きく感じる。立っている客はいないが、座席はほとんど埋まっている。宇都宮から北へ向かう需要も意外とあるようだ。

ふと上を見ると、「深谷まつり」と書いた広告が下がっている。深谷はこのあたりからだいぶ離れた高崎線沿線の街だ。どうやらこの車両は広範囲に運用されているらしい。

野崎駅前には「Fujitsu」と書かれたバスが数台並んでいた。工場通勤者の送迎バスだろう。大きな工場なのか、ここでかなり下車した。車内は閑散としてきたし、関東平野もだいぶ見飽きてきたから、少し居眠りする。目が覚めると、ちょうど黒磯に着くところだった。また乗り換えだ。


次は、黒磯から郡山へ。 >>
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