例えば、東京駅から大阪駅までの切符を買ったとします。この場合、東京駅で乗って大阪駅で降りるだけでももちろん構わないのですが、せっかくの切符ですから、有効に活用して「旅」を楽しんでしまいましょう。そのためのいくつかの条件などを、ご紹介します。
そもそも「切符」ってなんだ?
その前に、まず「切符」についてちょっと説明しておく必要があるでしょう。私たちがひとくちに「切符」と呼んでいるものは、JRの場合だと「乗車券類」に相当するものです。そのうち、いわゆる運賃部分に相当する切符を、「普通乗車券」といいます。
列車に乗るにはまず「普通乗車券」が必須で、あとは利用する「列車の種類」(特急列車か普通列車か、など)と「座席の種類」(グリーン車か普通車か、指定席か自由席か、など)によって、必要な切符を組合わせていく、というのが基本的な切符の買い方です。
「普通乗車券」の種類
今回は、これらの切符のうち「普通乗車券」のお話です。この普通乗車券には「片道」「往復」「連続」の3種類があります。
■片道乗車券
片道乗車券の例 |
この片道乗車券を発売する条件として、JRの規則には「普通旅客運賃計算経路の連続した区間を片道1回乗車船する場合」と書いてあります。これでは何のことかよくわかりませんね。
すなわち、A駅からB駅まで「重複しない」「同じ駅を二度通らない」「途切れない」経路であれば、すべて片道乗車券になるというわけです。なお、同じ駅を二度「通る」のはいけませんが、出発した駅と同じ駅に戻ってくるのはOKです。
例えば、新宿駅から山手線を一周して新宿駅に戻ってくるのは片道乗車券になりますが、新宿駅から山手線を一周して新宿駅に戻り、中央線に乗り換えて中野に行くのは片道乗車券になりません。
しかし条件さえ満たせば、どんな経路を通っても「片道乗車券」が発売されます。宮脇俊三著「最長片道切符の旅」などで知られるように、片道乗車券のうち最長距離になるものは「最長片道切符」などと呼ばれます。
■往復乗車券
A駅とB駅との間を、同じ経路で1往復する場合に発売されます。ただし、その経路については片道乗車券の発売条件を満たしている必要があります。往復乗車券の有効期間は、片道乗車券の2倍です。なお、片道600km以上あれば「往復割引」が適用され、行きと帰りの運賃がそれぞれ1割引になります。
■連続乗車券
片道乗車券にも往復乗車券にもあてはまらないが、ある駅で経路を2つに分割することによって2枚の片道乗車券になる、という場合に発売されます。あまりお目にかかることはないかもしれませんが、「乗車区間が一周を越える場合」や「一部区間が往復となる場合」などがこれに該当します。
「連続乗車券」となるとちょっと難易度が高いかもしれませんが、普通乗車券には3種類あるということを、どこか頭の片隅に入れておきましょう。
それでは、その乗車券を最大限に活用する方法を次のページから解説! >>