地上に地下に、網の目のように張り巡らされた東京の鉄道網。その路線図を眺めていると、本線からちょこっとだけはみ出した路線を見つけることはありませんか?用事がなければ乗らない、多くの人が素通りしてしまうそんな1駅か2駅だけのはみ出し線、人呼んで「枝線」。
都会の中でそういった枝線が生まれた経緯をたどってみると、意外な事実に驚くことも。距離は短いけれど、どこか不思議で好奇心をくすぐる枝線。
シリーズ3回目は、京成電鉄・金町線です。
今回の枝線紀行は京成金町線 |
枝線にも長いものから短いものまでいろいろあるが、その中でも短いものを取り上げている。ただ、「短い」といっても解釈は様々であるので、このシリーズでは本線から「1駅か2駅はみ出たもの」としている。それは、途中駅のあるこの京成金町線を紹介したかったからで、恣意的であるといえばそうなのだが、まあお許し願いたい。
「枝線」は本線から分岐していく線だから、金町線も京成本線との分岐駅である京成高砂駅から乗るのが筋なのだが、今回は東京メトロ千代田線・北綾瀬支線に乗った後に訪れる関係上、終端側の京成金町駅のほうが近い。
そんなわけで、まずは綾瀬からJR常磐線で金町駅へ向かった。
駅前留学に負けるな?京成金町駅
思わず見過ごしてしまいそうな京成金町駅 |
京成金町線乗り換えの案内表示はどこだろうとあたりを見回していると、その大きな屋根にパラパラと音をたてて雨粒が落ちてきた。
改札口のところに「ここはJR金町駅です」と大書してあった。間違える人が多いのだろうか。線路下の通路を南口へ抜け、バスターミナルの向かいに京成金町駅がある。入居しているコンビニエンスストアや、よく知られた英会話スクールの看板が駅より目立っていて、たしかにそうと知らなければ見過ごしてしまうかもしれない。
改札を入るとすぐホームで、わずかにカーブした単線の線路がすぐそこで終わっている。窮屈な敷地に看板などがあってやや窮屈な印象だが、それも枝線の風情か。さっきの雨は通り雨だったようで、植え込みの葉が濡れて光っている。
金町駅に流れる枝線の風情をもう少し堪能してから出発 >>