当駅ではきっぷの発売はいたしておりません……
大師駅の改札口は無人だった |
改札の近くには、「お願い」と書かれたこんな掲示があった。
当駅ではきっぷの発売はいたしておりませんので
そのまま乗車して西新井駅で、お求めください
そのまま乗車して西新井駅で、お求めください
実は、大師駅は無人駅なのだ。東京23区内に無人駅があるというのも極めて珍しいが、西新井駅で乗り換える時に自動改札機があったのはこのためで、要するに、大師駅の改札口は西新井駅にある、という考え方である。
大師前駅はかなり大きな高架駅 |
もっとも、無人といっても駅員がいないというだけで、駅舎内にはファーストフード店や書店などが入居し、高架下には東武バスの車庫もあるから、人の往来は常にある。
幻に終わった東武西板線計画
徒歩3分ほどのところにある西新井大師 |
その昔、寺社への参詣は庶民の数少ないレジャーとしての一面もあった。そのため草創期の鉄道は参詣客目当てに敷かれたものも数多い。しかしこの大師線は参詣鉄道として計画されたのではなく、当初は、東武伊勢崎線西新井駅と東武東上線上板橋駅とを結ぶ、東武西板線として計画された路線の一部であった。
西板線の計画自体は様々な事情が重なり、結局幻に終わってしまったが、既に用地を取得していたこの大師前までの区間のみが着工され、1931(昭和6)年に西板線として開業した(当時は1.1kmあった)。
もうここから先に線路が延びることはない |
その両者が西板線でつながっていたら、東京の交通体系もずいぶんと違うものになっていただろう。今回だって、自宅最寄りの東上線東武練馬駅から直接大師前駅へ来たはずである……いやいや、それだと「枝線」ではないからそもそも来ていないか。
西新井大師で遅い初詣、半端な運勢
門前の情緒あふれる西新井大師参道 |
そういえば、今年はまだ初詣をしていなかったということを思い出し、賽銭を50円奉納して盛大にお祈りしておいた。ついでとばかりおみくじを引いてみると、「運勢小吉」と出た。おみくじの初穂料は200円である。冷静に考えれば、賽銭をもっと奮発すべきだったと後悔したが、もう後のまつりであった。
『東京「枝線」紀行~通勤電車の横道へ』は、シリーズでお届けします。
◎その他の記事はこちら
東京「枝線」紀行【2】東京メトロ千代田線・北綾瀬支線
東京「枝線」紀行【3】京成電鉄・金町線
東京「枝線」紀行【4】西武鉄道・豊島線
[関連サイト]
■TOBULAND 東武鉄道沿線情報(公式サイト)
東武鉄道の路線図や運賃、時刻、沿線情報など。
■東武鉄道の歴史
公式サイト内にある年表。
■西新井大師(公式サイト)