鉄道/駅、鉄道グッズ

12年に一度の縁起物・亥年「猪」駅めぐり

2007年の干支は亥。というわけで駅名に「猪」が付く駅を探してみると全国に5駅が存在。そのすべてを一挙にご紹介する、12年に一度の全国「猪」駅めぐり、スタート!

執筆者:高橋 良算


2007年の干支は亥。というわけで駅名に「猪」が付く駅を探してみると全国に5駅ありました。意外と少ない気もしますが、これなら全部紹介できますね。それでは早速、12年に一度の全国「猪」駅めぐり、スタート!

※なお、「亥」の付く駅はありませんでした。

猪苗代駅いなわしろ(JR東日本・磐越西線)

猪苗代駅名標
猪苗代駅舎
ログハウス風に改装されている入口のファサード
北に磐梯山や吾妻連峰、南に猪苗代湖を擁する猪苗代町。千円札に肖像が描かれる偉人、野口英世が生まれ育った町としても知られます。駅前にも記念碑やレリーフがあるほか、猪苗代湖畔には生家を保存した野口英世記念館があります。

猪苗代駅の開業は明治32年(当時は岩越鉄道)。駅舎は平屋ながら、かつて急行停車駅であったことを物語る左右に長い堂々としたもの。磐梯・猪苗代観光の玄関駅として、現在もすべての列車が停車する磐越西線の主要駅です。

中世から約400年間は、猪苗代氏という一族がこの地を支配。拠点の猪苗代城(亀ヶ城)には今も土塁や石垣が残りますが、建物は戊辰戦争の際に焼失してしまったとか。

広々とした駅前に佇んでいると、そんな戦争の歴史はもちろん、すぐ近くに活火山があるということにも少しも気付くことはないでしょう。

■所在地:福島県耶麻郡猪苗代町(Yahoo!地図情報

猪苗代湖畔駅いなわしろこはん(JR東日本・磐越西線)

猪苗代湖畔駅入口
猪苗代湖畔駅前栄光の女神像
不思議な女神像の立つ国道に面した駅
猪苗代湖にほど近い場所にある、1986(昭和61)年開業の臨時駅。臨時駅とは一年間のうち期間を限って営業する駅のことで、2006年の場合は7月22日~8月20日の期間のみ一部列車が停車しました。

「湖畔」といっても波打ち際にあるわけではないのですが、少し歩けばすぐ猪苗代湖の志田浜に出られます。志田浜は遊覧船の発着所やキャンプ場、マリーナなどがある猪苗代湖観光の基地で、夏には遊泳もでき、多くの人でにぎわうところです。

駅前にはちょっと異様な白い像があり、駅のランドマークにもなっています。この像は「栄光の女神」という名前らしく、裏側には「昭和四十二年盛夏竣成」とあるので、どうやら駅の設置とは関係のない像のようです。

実はガイドがこの駅を訪問したのはすでに営業期間外。誠に不本意ながら猪苗代駅からレンタカーで向かったものの、残念ながらホームは立ち入り禁止でした。駅前の国道は交通量が多く騒がしいですが、駅は停車する列車も訪れる人もなくひっそりとしており、夏とはまた違った表情を見せます。

■所在地:福島県耶麻郡猪苗代町(Yahoo!地図情報

猪谷駅いのたに(JR西日本・高山本線)

猪谷駅名標
猪谷駅構内
木造駅舎が周囲の風景にとけ込んでいる
高山本線はこの駅を境に、北がJR西日本、南がJR東海のエリアになります(駅の管理はJR西日本)。2006年11月30日までは第三セクター・神岡鉄道の起点でもあったのですが、残念ながら廃止となってしまいました。

ところがこの駅には今、北側の富山方面からの列車しかやって来ません。というのも、JR東海側の角川~猪谷間が2004(平成16)年の台風災害で不通になっているのです。もともと川沿いのきわどいところに敷かれた線路は壊滅的な被害を受け、2年以上経った今もまだ復旧工事が進められています。

このあたりは、冬には雪が多いところ。静かな山間に、長年の風雪に耐えてきた木造駅舎が佇む姿はとても味わい深いものです。ただしこの駅は、駅員が配置されていない無人駅。せっかくの駅舎がもったいない気もしますね。

本来なら、全線を直通する特急列車も停車する駅。一日も早い復旧を願ってやみません。

■所在地:富山県富山市(Yahoo!地図情報


残るは西日本のあと2駅、次のページですべて紹介します>>
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