列車の座席(シート)の種類をその配置方法で大きく分けると、「ロングシート」「クロスシート」「セミクロスシート」という3つに分類できます。早速それぞれを詳しく見ていきましょう。
ロングシート
通勤電車などで見慣れたロングシート |
ところがそんな通勤電車向けの座席にもかかわらず、最近では乗車時間が2時間を超える中~長距離の列車にまで採用される例が増えてきてしまいました。毎日の通勤電車なら、とにかく座れればよいだけなので別にどうということはありませんが、旅先での列車がそんな座席では、旅の印象までがらっと変わってしまいます。
何しろ窓に背を向けて座るため、景色が見えません。座った正面の窓から見ることもできなくはないですが、向かい側の乗客と目が合ったりする上に、立ち客が多ければそれすら無理です。万一混んでいて座れなかったら、通勤電車のようにつり革につかまって行かなければなりません。これでは何のために旅に出ているのかわからないですね。
それに「駅弁」が食べにくいのもこのロングシート。飲み物を置く場所もないですし、そもそも両脇をスーツ姿のサラリーマンに挟まれながら食べたって、味など感じません。それどころか、何だかこちらが悪いことをしているような気分にさえなります。
「ローカル線」という言葉の響きには、誰しもある一定の旅の風情を期待してしまうもの。しかし残念ながらそんなローカル線の中にも、ロングシートの車両しか走っていない区間が増えており、景色を眺めながらのんびり駅弁を……と思っていざ乗ったらオールロングシートだった、なんてことも現実にあります。もちろん鉄道は旅人だけのものではないですからそれもいた仕方のないことなのですが、そういった点でも、事前の情報収集は欠かせないと言えるでしょう。
さて次のページでは、旅の場面で主役となるクロスシートについて見てみましょう。