鉄道/おすすめ鉄道旅行

青梅線に乗って東京の秋を見つけに行こう!(2ページ目)

新宿駅から直通列車で90分の奥多摩。そこには同じ東京とは思えない風景が広がります。まもなく紅葉の最盛期が訪れるJR青梅線を、ガイド高橋イチおしの途中下車スポットとともにご紹介します。

執筆者:高橋 良算

東京にもこんな駅があった!~鳩ノ巣駅

鳩ノ巣駅
静かで落ち着いた佇まいの鳩ノ巣駅
青梅線で途中下車するなら、鳩ノ巣駅がおすすめ。ハイカーのほとんどは御嶽駅と奥多摩駅で降りるようで、鳩ノ巣駅で降りる人は少数派。都心から直通のホリデー快速が停まらないからかもしれませんが、奥多摩の風景を静かに楽しめる穴場的な場所です。

乗ってきた電車がトンネルの中に消えて行くと、辺りにはしばしの静けさがやってきます。駅近くの警報機も遮断機もない踏切を、おばあさんが一人渡っています。せっかくですから、駅舎もじっくりと眺めてみましょう。昭和19年に建てられた山小屋風の木造駅舎は、手入れが行き届きとても清潔で、周囲の自然に良くとけ込んでいます。

鳩ノ巣渓谷で少し早いランチはいかが?

鳩ノ巣小橋
鳩ノ巣渓谷は駅からも近く、絶景が気軽に楽しめる
迫力ある奇岩が連なり、奥多摩有数の渓谷美を見せる「鳩ノ巣渓谷」は駅から徒歩5分ほど。この渓谷のシンボルとも言える吊り橋「鳩ノ巣小橋(はとのすこはし)」周辺は紅葉スポットでもあり、まもなく多くの人々が訪れる時期を迎えますが、この橋のたもとに「ギャラリーぽっぽ」があります。「ギャラリー」とありますが、食事のメニューが豊富で散策途中の休憩にはぴったりです。

ランチには少々早かったのですが、早速「カレーぽっぽ」を注文。とっても気さくなオーナーの上石洋子さんが、お料理ができ上がるまでの間、鳩ノ巣についてのエピソードをお話ししてくださいました。

ギャラリーぽっぽ店内
柔らかな木もれ日が印象的な「ギャラリーぽっぽ」の店内
昭和30年代、この鳩ノ巣には奥多摩観光の「はとバス」が立ち寄り大変賑わったそうで、この「ギャラリーぽっぽ」さんの建物も当時は食堂兼土産物屋として繁盛していたのだとか。ところが「はとバス」が立ち寄らなくなると急激に寂れてしまい、お店もたたむことに。そのまま放置されて「お化け屋敷」のようになっていた建物を約10年ほど前にリニューアルし、「ギャラリーぽっぽ」として営業を再開した……

渓谷を見下ろす素晴らしいロケーションにあるので、窓を開けるとさわやかな風が吹き抜け、川の音と鳥の声が休みなく聞こえてきます。やわらかく木もれ日が差し込むテーブルで食事をしていると、体からすーっと緊張がほぐれていくのがわかります。時間を忘れてのんびりと。もうすっかり癒されてしまいました。

野菜とオーナー
オーナーの上石さん曰く「自然そのものがギャラリーなんです」
外のテラスに並んだ鍋の中を見せていただくと、野菜がゴロゴロ。これが上石さんイチおしのメニュー「おやさい丸ごと食べちゃおう」で、3日間かけてじっくり煮込んだ野菜は、やわらかくて丸ごと食べられるのだそうです。

昼食時など時間帯によっては混み合う場合もありますので、ゆっくりしたい方はその前後に行かれることをおすすめします(ただし時間帯によっては提供できないメニューもあるそうなのでご注意ください)。

次のページでは青梅線を走る楽しい列車をご紹介します。

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