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行き止まり駅の旅~JR新十津川駅

全国の「行き止まり駅」を訪ねるシリーズ第2回は、北海道のJR新十津川駅をご紹介します。当初は行き止まりではなかった札沼線の歴史と、駅のある新十津川町の歴史に思いを馳せながら、出かけてみましょう。

執筆者:高橋 良算


新十津川(しんとつかわ)駅JR北海道・札沼線

新十津川駅舎
■北海道樺戸郡新十津川町
札沼(さっしょう)線は、桑園(そうえん)~新十津川駅間76.5kmを走る非電化路線。起点としては桑園駅ですが、全ての列車が、お隣の札幌駅まで乗り入れます。沿線には2つの大学があることから「学園都市線」という愛称が付けられています。

札幌駅から30km圏内にあたる石狩当別駅付近までの沿線は、札幌市郊外のベッドタウンとして宅地化され利用客も多く、通勤通学路線として朝夕を中心に50往復程度は確保されています。しかしその先の浦臼(うらうす)駅までは本数が一気に減り、一日7往復ほど。さらに浦臼~新十津川間は一日たった3往復の超閑散区間です。

かつては途中駅だった新十津川駅

車窓風景
のどかな風景が広がる(中徳富~下徳富間)
今では新十津川駅が終点となっていますが、かつてはここから約35km先にある、留萌(るもい)本線石狩沼田駅まで線路が続いていて、札幌と石狩沼田を結ぶことから札沼線と名付けられたわけです。その当時、この新十津川駅は中徳富(なかとっぷ)という名前の途中駅でした。

ちょっと複雑なのですが、ここで札沼線の経歴をざっとご紹介しましょう。

札沼線路線概略図
参考:札沼線路線概略図

 昭和10年 桑園~石狩沼田駅間が全線開通し、札沼線となる
 昭和18年 石狩月形~石狩追分(当時)駅間が営業休止
 昭和19年 石狩当別~石狩月形駅間および石狩追分~石狩沼田駅間が営業休止
 昭和21年 石狩当別~浦臼駅間が営業再開
 昭和28年 浦臼~雨龍(当時)駅間が営業再開
 昭和31年 雨龍~石狩沼田駅間の全線で営業再開
 昭和47年 新十津川~石狩沼田駅間廃止

なお、新十津川は「しんとつかわ」と読みます。某推理小説の主人公に十津川警部というのが出てきますが、こちらは「とつがわ」ですので念のため……。

前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ新十津川駅に行ってみましょう。

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