一日わずか三往復の「超」ローカル線
JR岩泉線は、岩手県の茂市と岩泉とを結ぶ、全長38.4kmのローカル線です。……と書くと、ごく普通のローカル線のように聞こえますが、実はこの岩泉線はそんな甘っちょろい路線ではないんです。何しろ、この区間を通して走る列車は一日たったの3往復!まずは岩泉駅の時刻表をご覧ください。
■2005年9月現在の時刻
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つまり、岩泉の人が朝8時1分の列車で茂市方面へ出かけると、夕方16時28分まで帰って来られないという、何とも凄まじいダイヤになっているわけです。
手元にある時刻表を見てみると、昭和47年の延伸開業時は4往復あり、昭和51年12月号では5往復に増えていますが、その後は減便を重ねて今の3往復となったようですね。
いずれにせよ、地元の利用者はもちろん、岩泉線を訪れようとする旅人たちも、この本数の少なさには泣かされます。
小本線から岩泉線に
岩泉開業時?の路線図(落合という駅は存在しません) |
「小本線」という名前だったことからわかるように、当初の計画では岩泉よりさらに約20km先の太平洋に面した小本まで行く予定だったようですが、すでに世はモータリゼーション全盛、結局岩泉から先の工事は凍結となりました。
しかし、先ほど古い時刻表で見たように、もともと本数が少ないということはそれなりの需要だったということだと思うのですが、なぜ昭和47年まで工事が続けられたのか?まあ、今回はあまり深入りしないことにしましょう。
このような路線ですから、当然国鉄末期にはいわゆる「赤字ローカル線」として廃止候補にあげられました。しかし、代替バスが通る道路がないことなどから何とか廃止を免れ、そのおかげで今も岩泉線の旅ができるわけです。
ではそろそろ岩泉駅へと出発しましょう。
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