鉄道/はじめての鉄道旅行

列車運休!切符はどうなる?(2ページ目)

台風や大雪そして地震……こんなときによく発生するのが列車の「運休」や「遅延」です。ではその時あなたが持っている切符はどうなるのかご存知ですか?いざという時慌てないための予備知識を勉強しておきましょう。

執筆者:高橋 良算

これだけある、払い戻しの規則

さて前置きが長くなりましたが、実際に規則をざっと見てみることにしましょう。

■旅行開始前ですでに切符を持っている場合
旅行開始前に列車の運休が決まり、そのために旅行を中止する場合には、運賃・料金の全額を払い戻すことができます。なお、払い戻しには手数料はかかりません。

■旅行開始後の場合
旅行開始後に列車が運休になった場合は、おもに次の中からどれかを選んで請求することができます。

【列車が運転できなくなったとき】
  1. 旅行を中止して、中止駅から目的地までの運賃、料金の全額を払い戻す
  2. 旅行を中止して、無料で出発駅まで戻り、運賃・料金の全額を払い戻す
  3. 切符の有効期間を延長する
  4. 他のJR線経由で旅行し、運賃・料金の差額があれば払い戻す
  5. JR線以外のルートで旅行し、乗らなかったJR線の運賃・料金を払い戻す
  6. 後続の他の特急・急行列車に乗車し、特急・急行料金を全額払い戻す(乗っていたのが特急・急行列車(新幹線含む)の場合)
※料金のうち寝台料金については、朝6時までの間に指定の寝台が一部区間または全区間使用できなかった場合のみ、全額払い戻しになります(つまり朝6時以降に使用できなくなった場合には払い戻しはありません)。

【列車が遅れたとき】
  1. 乗っている特急、急行列車(新幹線含む)が、到着時刻より2時間以上遅れた場合
    • 特急、急行料金を全額払い戻す

  2. 列車が遅れたことによって乗り換え予定の列車に乗れず、予定の到着時刻より2時間以上遅れる場合
    • 旅行を中止するときや中止して出発駅まで戻る場合は、列車が運転できなくなったときと同じ

自分の持っている切符の種類を確認しよう

さて、上記の請求を行う前に必ず確認しなければならないのは、自分が持っている切符がどういう切符なのか、ということです。
  1. 普通乗車券、急行券、自由席特急券、指定券など
  2. 特別企画乗車券(いわゆるトクトクきっぷなど)
上記のうちどちらに該当するかによって払い戻しなどの対応が全く違ってきますので、まずこれを確認しましょう。

特別企画乗車券の表記
特別企画乗車券の表記に注目
なお、特別企画乗車券というのは「トクトクきっぷ」とか「おトクなきっぷ」などと呼ばれるもので、券面に「企」(◯の中に企)と表示されています。「◯◯フリーきっぷ」とか「◯◯往復きっぷ」といった名称のものが多いです。

この特別企画乗車券は、旅行開始後の払い戻しや列車の運行不能・遅延による払戻しに制約があることがほとんどです(そのような制約と引き換えに割引などが受けられるわけですが)。ですから、これらの切符を使用する旅行を計画していて、事前にある程度予測がつく場合には、あらかじめ迂回のルートを検討しておいたり、出発を取りやめて旅行そのものを中止する決断も必要です。

なお、具体的な取り扱いは切符ごと異なりますので、どうしたらよいかは必ず係員に確認しましょう。

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