2000年12月16日午前11時過ぎに東京都板橋区大山金井町の無職Kさん(70)の自宅離れの2階で一人暮らしをしていた二女のA子さん(26)がタオルで首を絞められて死んでいるのが発見されました。
遺体の状況などから警視庁捜査一課と板橋署は殺人事件と断定、捜査本部を設置して捜査をしていたところ4日後の20日に強盗殺人と住居侵入の疑いで無職のM容疑者(29)を逮捕しました。
A子さんは10月に「知らない男につけられた。こわかった」と手帳に書き残してあり、父親のKさんにも「変な人につけられた」と話していました。このあとで父親が玄関のカギを取り替えたり、路地を照らす電灯を取り付けるなどの防犯対策をとっていました。
しかし、玄関の窓ガラスが割られておりカギを開けて侵入されたものとみられています。また11月にもA子さん宅に何者かが侵入、土足で入り込んだ形跡がありA子さんのパスポートが盗まれる空き巣被害があったことがわかりました。
調べに対してM容疑者は「近くの飲み屋で酒を飲み、金がなくなったのでひったくりをしようとしたがうまくいかず、以前にあとをつけて一人暮らしと知っていたA子さんから金を取ってやろうと思ったが、目を覚ましたので顔を見られたと思い首を絞めた」と供述しています。
A子さんは男につけられたときに自宅を特定されてしまったことが悲劇の要因となっています。最寄り駅からの帰り道では常に周辺に気を配り、尾行されていないか、さりげなくチェックします。不審な人物がいたら恐いからと自宅にまっすぐ帰ってはいけません。自宅を特定されることは非常に危険なのです。コンビニ等に立ち寄ったり、駅に戻ったりして状況をよく判断します。
コンビニ等に逃げ込んでなお尾行者がいるようであれば迷わず警察に連絡します。駅に戻ってから電車で一駅戻るか次の駅まで行き、タクシーを利用するのもいいでしょう。尾行者から完全に逃げ切って安全を確認してから帰宅するようにしましょう。
また普段から駅から自宅までの経路に逃げ込める場所がないか探しておくことが大事です。防犯連絡所のステッカーを貼ってある家を見つけておいたり、明かりがついて人のいる救助を求められそうな家など自分にとっての安全情報をもっておくようにします。
さらに不審な出来事や不安な人物がいたら必ず記憶をとっておくことです。手帳や日記も大事な証拠になります。一人で対処しようとしないで不安な場合はためらわずに警察に相談することも大切です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。