老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、1人暮らしで老朽化した土蔵の修繕費に困っている69歳の方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:年金生活で老朽化した土蔵の修繕費が出せません。どうすればよいでしょうか?
「夫と死別し、子どもたちも結婚して独立している独り身の69歳です。夫婦でいると加給年金が出るのに、独り身だと1人分の年金で家や家庭を維持していかなくてはなりません。固定資産税、火災保険などを支給されている年金から払って生活していくのは厳しいです。なぜ夫婦の人だけ加給年金が支給されるのでしょう。1人の人でも何か増額される制度はないのでしょうか? 老朽化した土蔵の修繕費も必要で困っています」(あけわさん)

A:まずは遺族厚生年金や年金生活者支援給付金など、受け取れるものがないか確認してみましょう
あけわさん。配偶者を亡くされ、お一人での年金生活はいろいろご苦労が多いと思います。夫婦だと加給年金が出てうらやましいということですが、年金制度について少しだけ解説します。
まず確認したいのが、配偶者と死別した後、遺族厚生年金を受給しているかどうかです。
亡くなった配偶者が自営業などで国民年金のみの加入だった場合は、現在、遺族年金を受け取っていない可能性もあります。一方、配偶者に会社員などとして厚生年金に加入していた期間があれば、一定の要件を満たすことで遺族厚生年金を受給できる場合があります。
遺族厚生年金の金額は、原則として亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3を基礎として計算されます。ただし、65歳以上で自分の老齢厚生年金を受け取る権利がある場合は、自分の老齢厚生年金との間で調整が行われます。
もし遺族厚生年金を受け取っていないのであれば、ご自身が対象になっていないか年金事務所で確認してみるとよいでしょう。
加給年金は、一定の要件を満たした老齢厚生年金の受給者に、生計を維持している65歳未満の配偶者などがいる場合に加算されるものです。
ただし、原則として配偶者が65歳になると加給年金は終了します。また、配偶者が一定の老齢厚生年金や障害年金を受け取る権利がある場合などには、加給年金が支給停止となることもあります。
したがって、「夫婦であればずっと加給年金を受け取れる」という制度ではありません。
年金生活者支援給付金を受け取れる可能性も
あけわさんの年金収入が少なく、世帯全員が市町村民税非課税である場合などには、「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。
なお、2026年10月からは、69歳のあけわさんの場合、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が82万6500円以下であれば「老齢年金生活者支援給付金」、82万6500円を超え92万6500円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になる可能性があります。
実際に受け取れるかどうかは、年金額や保険料納付済期間などによって異なりますので、年金事務所などで確認してみましょう。
固定資産税や土蔵の修繕についても自治体に相談を
収入が少ないからといって、固定資産税が一律にゼロになる制度はありません。ただし、自治体によっては一定の事情がある場合に減免を受けられることがあります。
なお、自治体によっては、一定の要件を満たす住宅の改修や耐震化などに助成制度を設けている場合があります。ただし、老朽化した土蔵の修繕が対象になるとは限りません。お住まいの自治体に利用できる制度がないか確認してみるとよいでしょう。
火災保険についても、築年数や建物の状況などによって保険料や加入条件が異なります。家や土蔵の維持費が今後も大きな負担になるのであれば、この先も現在の住まいを維持していけるのかを含め、長い目で住まいにかかる費用を考えてみることも大切です。
まずは、遺族厚生年金や年金生活者支援給付金など、受け取れる可能性がある給付を確認するとともに、固定資産税や土蔵の修繕について自治体に相談してみるとよいでしょう。
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